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『ちむどんどん』第78回 押し付けがましい熱い主人公需要もある

 和彦と結婚するために、将来の義母である重子を訪ねる暢子。しかし釣り合わないと一蹴され……。

一周回って押し付けがましい主人公が求められている

 暢子は手作り弁当をめげずに青柳家に届けます。つっぱねつつ、受け取ったお手伝い波子は「うんめえ!」(東北出身かな)と声をあげてしまう。これまた古典的で、貴人は付き添いから落とせっていうのはありますよね。
 暢子は押し付けがましいといえばそうだし。家事ができない重子を刺激しそうではあるけれども、こういうやりすぎ熱血主人公が一周回って今求められているんじゃないかと思いました。
 具体例でいえば『鬼滅の刃』の炭治郎。彼もちょっとやりすぎとわかる演出をされています。そういう主役のやりすぎ面も本作は出していますよね。

歌子と智

 歌子は病弱です。けれども、精神的なものも大きいと思えました。というのも、民謡を歌うにせよ人前だと緊張してできなくなってしまう。民謡教室で歌子の隣にいたおじさんの目線が不躾で、見下すようで、そういう毒気にあてられていると思えましたからね。

 そんな歌子は、智からよいものをいっぱいもらって、すっかり生き生きと元気になりました。歌子にだけは失恋を話せると心を見せてくる智。これは幸せだな。そんな歌子から勇気をもらい、励まされ、共同売店に迎える智。でーじハンサムとおばぁたちに言われたのも、歌子が手を引っ張って連れて行ったから。
 智は歌子を元気にする。
 歌子は智を元気にする。
 二人が一緒にいればそれでいいんじゃないかと思えました。智は東京にいるのか、沖縄に戻るのかわかりませんが。

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