見出し画像

『おかえりモネ』第1回 天気はどうなる?

 さて、まずはご挨拶。noteで有料マガジンにしている朝ドラレビューですが、ほぼ無職状態でこればかりに時間を取られるのもどうかと思いますので、簡易版にします。ほぼ無料と変わらないくらい有料エリアが短くなり、かつ、前回より短くなります。ご了承ください。

 それでも購読してくださる方には感謝するほかありません。

たかが天気予報、されど天気予報

 さて、第1回ですが。手堅いと思いました。まずモネの出産日が大荒れ。となると、危うい。現代日本でも、離島と悪天候という条件が揃うと命を落としかねない。そんなハードな前提条件が出てくる。
 たかが天気予報。されど天気予報。これが生死を分けると示されています。ある意味モネは嵐の申し子(念のため言っておくと『ゲーム・オブ・スローンズ』、デナーリスのこと)であると。

2014年の宮城を描く

 今回一番の難所は311後の宮城を描くということ。
 海辺か、山か。モネが海から山へ向かったとわかる。津波の被災に対する姿勢がこれから出てくる。そこをどう描くかがポイントです。
 NHK東京はがんばってますね。311はまだ話題にするだけで荒れそうなのに。思い出すのは『半分、青い。』のユーコの被災死。あれは脚本時点では入れるか未定だったものの、スタッフ側の意向で入れました。あれは散々叩かれた記憶がありますが、実例に即していてどうしてあんなに叩かれていたのかわからない。『わろてんか』と『まんぷく』の戦争描写の方が不謹慎かつ不正確でしたが(『スカーレット』と『おちょやん』は反省のあとがあります)。

宮城のよさを味わいたい

 モネ自身の人生も大事。脇役も豪華。このドラマは発声指導がよくて、マイルドな宮城ことばになっています。南東北はきつい訛りではなく、ちょっとニュアンスが異なる程度。こういうのが一番難しいとも思う。たぶん、これはしゃべっている本人すら気づかないし、説明するとなんかこう、ちょっと照れ笑いする感じ。

 ファッションセンスも、「仙台に憧れていて時々買い物に行く宮城の地方女子高生」らしさがある。お父さんも「娘への愛はあるけど、無意識のうちに可能性を狭めてしまう東北パパ」というか。九州ほどガツンと狭めないけど、うっすらとそうしちゃう。でも悪い人ではねえ。そういう感覚だなぁ。
 そんなわけで、しょっぱなからよさげではある。マイルドな出だしでした。


政宗公がいまだに出てくる、それが宮城

 今回は政宗の存在感がすごい。でもこれぞ宮城ですね。
 宮城はじめ東北出身者が他の地域出身者と会話していてちょっと驚くであろうことがある。
「あなたの出身地のお殿様は誰だべ?」
「えーっ、そんなんわからへん!」
 なぜか? 東北は大名の領地がなかなか広く、武家ルーツを大事にする傾向があるのですね。これは戊辰戦争にも関係があって、東日本は西日本より天皇の権威にピンと来なかったとは言われております。

ここから先は

620字

朝ドラメモ

¥300 / 月 初月無料

朝ドラについてメモ。

よろしければご支援よろしくお願いします。ライターとして、あなたの力が必要です!