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『カムカムエヴリバディ』第59回 夕陽射す海で抱き合うカップル

「るいとジョーは色々あったけど、サニーサイドがラジオで流れて奇跡が起こる! これでどうよ」
「えーとですね……奇跡って何ですか?(センスが古い)」
「夕陽射す海で抱き合うんだよ!」
「えっ!(海からあがったあとって服汚いよな)」
「反応鈍いなぁ〜これだから草食化っていうの? 今どきの若いもんはさ、ダメなんだよな。ともかく、この絵を撮れるよう先生に伝えとけよ、なっ」
「はい……(誰のセンスだよ。大物女優復帰だからってどうしてこんなことに)」

あらすじを追うのはやめました

 こんなもん、小芝居でいい。

 なんでかっちゅうと、もうありきでドラマ作っとんねん。何が? そらお前……ふかっちゃんとオダジョーが夕陽射す海辺で抱き合う。決め台詞はコレ。

「あなたと二人でひなたの道を歩いてゆきたい……」

 アホかと思いたくなるようなくっさい台詞やけども。三人目のヒロインが“ひなた”やしこれでええのよ。

 ルイ・アームストロングからつけた“るい”が、ルイ・アームストロングの曲”On The Sunny Side of the Street”で結ばれて、ほんで三人目が“ひなた=サニーサイド”。
 こうして追いかけてゆくと両親がラブラブを自慢したいだけの、せまっちい世界に思えるけど。それがバブリーな時代に生きとったギョーカイ人のセンスやからしゃあない。
 2020年代にもなってザギンでスーシーとか言いたい連中には、これが神展開なのよ。多分な。
 しかしこの気合い入れた総集編で見たら生えそうな、切り抜けば絵になる映像も。カラオケの背景映像のようで笑いも出ない。

無茶苦茶すぎて話に入り込めない

 ささっとあげると。

・ベリーのあだ名は「一子」→「いちご」→「ストロベリー」→「「ベリー」。工夫したんですセンスいいでしょ! といいたげな雰囲気が色々無理。
・仕事舐めすぎ問題。仕事中、いきなり男のことで、頭がいっぱいで立ち上がって走り出するい。非常識にもほどがある。実の親子でもここまでやらんでしょう。言伝くらいしましょう。
・そもそもが、ノーヒントで一発で海辺に辿り着くのが不愉快。こういうときななんでそう行動するのか説明しようよ。『おかえりモネ』ではそこが精密だったでしょ。
・エキセントリックに物を投げるジョー。海に身投げするジョー。こんな男やめとけ。危険。
・るいも重たいストーカー女。そばにいたいと座敷童のように部屋で座り込む。海辺で抱き合って妙に話のでかいことを言い始める。妄想癖の持ち主か?
・そもそもジョーの病気は何?

 もう無茶苦茶。
 こういう情熱と勢いだけで突っ走る人物は、顔がよかろうとそこまで魅力的ではないことを、大河の北条宗時が見せてくれておりますが。

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