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『虎に翼』第128回 そして、次の世代がきっと

 最高裁大法廷判決日がやってきました。

判決の日

 その日、山田轟法律事務所で遠藤はこう甘ったるい口調でぼやいています。
「この目で見届けたいな。太一君がこの大きな裁判で勝つところ」
 こう甘い口調で言われると、そうだ、彼の恋人はみな「轟」といういかめしい名字で呼ぶけれども、名前は可愛らしいのだと改めてわかります。本当にお互い好きだと伝わってきて、朝からあたたかい気持ちになれますね。
 ここでよねが険しい声で言います。
「勝てると、決まったわけじゃないぞ」
 よねと轟は、無言で立ったまま、湯呑みの中身を飲み干しました。
 この場面は意識的にジェンダーロールを再構築しているとも思えます。遠藤は優しく暴力を嫌い、恋人がずっと大好き。甘い恋人そのもの。それこそ愛くるしい“女優”が演じそうな人物像に思える。
 いかめしいよねは、頼もしい“男の中の男”のような造型です。
 まるで騙し絵のようで、日頃私たちがどれだけ偏見に浸かっていたのか、再認識させるような構図です。

司法とつぐない

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