『虎に翼』第70回 穂高の教えを伝えていく
寅子の怒りは酷かったと話題になり、法曹界の歴史に残るとまで言われています。そして穂高が寅子に会いに来ました。
「げ、元気ですか穂高先生!」
その誤魔化し方には無理がある。そう周りから突っ込まれるような不器用さを発揮する寅子でした。頭がいいようでどこか抜けているというか。不器用なんです。
師弟の和解
周りから気遣われ二人きりになると、穂高は謝ります。
穂高は自分は古い人間だという。理想を口にしながら、現実では既存の考えから抜け出せなかったという。そのうえで寅子は違う。既存の考えから飛び出して人々を救うことができる人間だと太鼓判を押す。そしてそれを誇りに思うとまで言い切ります。それを伝えたかったのだと。
寅子は穂高が古いとは思っていない。尊属殺のときの意見はさすがだと思っていました。先生の教え子であることも誇りに思ってはいるのです。
穂高は礼を言い、あとは君たち若いものに託すといい、椅子に座ります。寅子はてっきり怒られるのだと思っていたとか。穂高はそんなことをして嫌われたくはないと言います。寅子は穂高が嫌いなわけではない。ですよね、寅子は嫌いだったら顔にもっとはっきりでますよね。小橋あたりに対してそうですよね。
穂高も、それなりに好いていてくれるのはわかっていると笑います。そして最後に笑ってすっきりした顔でお別れできそうでよかったと、しみじみと言うのでした。そのうえで、気を抜かぬように言います。
「君もいつか古くなる。常に自分を疑い続け、時代の先を歩み、立派な出涸らしになってくれたまえ」
「はい!」
こうして師弟は万感の笑みで別れました。昨日の回だけで寅子を嫌うのは早計でしょう。信頼しあっているからこそぶつかり合い、修復もできるんですよ。
子どもを育てるのは大人たち皆の責任
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