『おかえりモネ』第10回 命を守る仕事です

 低体温症に陥る圭輔。痙攣し始めています。電話で菅波にそう焦って伝えるモネ。震え始めたら良い兆候だそうです。あとはあたたかい飲み物を飲ませればよいとのこと。眠りに落ちそうになる圭輔の耳元で笛を吹いて起こすモネでした。

責任の所在

 こうして無事に助かったモネと圭輔。圭輔の父は我が子を叱り飛ばします。とはいえ、山は怖いもの、森林組合に責任があるとサヤカはしみじみと言います。
 なるほど、避難小屋にどうしてストーブがあって、すぐついたかわかりますね。準備万端。何かあると備えていればこそ。このドラマは責任感を問いかけてくるらしい。サヤカたちの責任感があればこそ今回は助かっています。
 もしもあの山小屋のストーブがつかなかったら……モネたちはこんなふうに笑えていなかったかもしれない。山の天気はおそろしいからこそ、サヤカたちは備えています。
 そして結果オーライでも、サヤカは重々しく謝り、次に備えを欠かしません。伊達政宗が現代に女体化していたら、キャピキャピした美少女でなくて、きっとサヤカだと思うのです。サヤカは安心しない。もし何かあれば、こうしていられなかったと言います。
 それでもおばちゃんたちがあったかいもの、はっと汁を作っていて、和やかな雰囲気へ。

 菅波は救急隊員にテキパキと指示をしています。足が折れていないか。頭を打ったから念のため調べること。そして低体温症。そう運ばれてゆく圭輔に、モネは竹とんぼを渡します。これのせいで遭難したのに忘れるなと圭輔の父はいう。モネはここであれは弟さんにあげたいものだと説明します。父は驚いている、まだ生まれていない弟なのです。しかも切迫早産で病院にいるとか。
 モネは笛もあげようとしますが、お母さんに怒られると圭輔は断ります。それもそうかと笑うモネです。

あなたのおかげなんかじゃない

 ここで菅波がきっぱりと言い切ります。
「あなたのおかげで助かりました」
 この言葉は麻薬だと。真に受けて何もしなくなったらダメ。気象予報士と医者の知識で何とかなっただけで、モネは何もしていない。
 これもなかなかきつい。そうじゃないと視聴者ならわかる。圭輔をおぶって、一生懸命小屋で移動して、ストーブをつけて、圭輔をあたためて励まし続けた。モネは十分がんばっています。それを全否定ですか!
 さらに、森林組合で働くからには半人前だなんて関係ないと言い切る。まだ入ったばかりという言い訳を先に潰してきたぞ。
 何かを見つけなければ森林組合に失礼とまでいう。あんなふうに父親に啖呵を切って……とまでいう。父とちがって見つけると言い切るなんて、甘えてるとまで言う。
 菅波、むちゃくちゃきつい。序盤でここまで朝ドラヒロインにダメ出しする男、いましたっけ?
 これはモネ一人でなくて、朝ドラヒロインあるあるを粉砕するかのよう。かわいい女の子が微笑んでキラキラして、やりたいことを探すとか。未熟で理論破綻しているのに、かわいげと主人公補正とやる気だけでbカバーするとか。そういう何やかやごと鉄拳粉砕するようなドス黒い怨念を感じました。なんなんだこいつ……。イケメン医者でときめいた視聴者反応ごとぶっ壊してきましたね。全然萌えねえ。すごい。
 顔がいいお医者さんなんて、ニコニコ笑ってヒロイン励まして、なんなら缶コーヒーでも飲ませりゃ「萌える〜」ってニュースできますよ。どうやらそういう方向性を粉砕するんだな。

空のことも勉強しよう

 モネがぼんやりとしていると、朝岡から電話が来ます。無事でよかったと言ったあと、朝岡もわりと濃い反応を示します。モネに気象の状況を聞いて、突発的な前線のせいだと分析している。これは難しいとかなんとか言っている。割と一方的だな。
 モネもちょっとずれているところがあるというか、予測だけでなく分析もすると確認しています。次に生かすために分析するんですね。外れることが怖くないかとモネがいうと、自然相手だから絶対ということはないと朝岡。それでも堅苦しく考えるのではなく、空をおもしろいと思うことを大事にしていると朝岡は言い切ります。
 この人、本当に気象が大好きなんですね。子どものころからずっとそうなんでしょうね。ぼーっと一日中気象観察して、親が不安になっていたような。
 朝岡は空と水でつながっていると言います。山も、海も、水も、空とつながっている。朝岡がモネに空のことも勉強してくださいと告げ、通話は終わります。

 モネは自転車で登米の街を走っています。そして図書館に向かい、気象予報士の試験参考書を手に取ります。難関で合格率5パーセント。戻すモネ。でもまた手に取り直します。

 気象予報士は命を守る仕事です。

 その一行にハッとなるモネ。どうやら何かを見つけたようです。

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