『舞いあがれ』第33回 五島で自分を探そう
朝ドラ反省会界隈の正体が見えてきた気がする。
大学のリゾート化なんて時代もあった
このドラマの珍妙さは、舞世代ではなく、もっと上、昭和好景気時代に生きたの若者感覚で話が動いているところです。今の50代の青春期ということ。
舞の年代ならもっと地に足がついていると思う。でも、こういうバブルに浮かれてウェーイとしているなら、あのゆるさと馬鹿馬鹿しさにも納得がいくけど。
単位は? バイトは?
単位が取れないから中退したいんやろ。ロードバイクはバイト代で買うと言っていたくせに、五島でゆっくりしてバイトを休んでも平気らしい。
何がなにやら。
それでよく詩に……
展開がいちいち馬鹿馬鹿しくて頭に入ってこない。
ばんばも、あの高畑さんですら演技過剰に思えるってどういうことなんだ。いきなりスーツで出てきたうえに三日位絶景にいた若者がいて、あのナチュラルな歓迎はなんなのか。
いきなり泊まるというのも迷惑で、そんなもん突っ込んだらキリがないけど。これが『ちむどんどん』なら許されてないんじゃないのか。
その食卓でハキハキ小学生が作文朗読するように、思ったこと全部しゃべるたかしくんは何者なんでしょう。これで詩をテーマによくできるよね。ただ、本作、切り取りだけすると薄っぺらくてキラキラしたことは言っているので、そういう小学生の考えたフレーズみたいなもんを推していくつもりなんでしょう。
五島は癒しと搾取の土地
一太も出てきた。進学はしてないのかな?
本作って結局五島を癒しリゾート扱いで、島民の苦悩や問題は漂白化する気満々なんだな。『おかえりモネ』や『ちむどんどん』のあとでよくそんなことできると思うけど。好きな人は好き。マイナス感情が苦手な人は気にいることでしょう。
幼少期からして島民の家族行事を奪い取って自分探ししていた舞だもんな。そこは徹底してる。
朝ドラ界隈の暗黒部を見た思いがある。『半分、青い。』や『なつぞら』に対し、地方出身女子は地元でこじんまりと生きていけという類の感想があった。それが本音だろう。地方民は自分探しなんかしないで癒し系として存在すればいいと。地方民の分際で都会に出て成功する『ちむどんどん』の暢子なんて不倶戴天なのだろう。
朝ドラ界隈は『あまちゃん』を褒めるけど。ああして笑い物にしていじれる地方民を求める需要にピタッとハマったのかもしれない。で、地元民はそれを悪く言えないというのもある。
『ダンス・ウィズ・ウルブス』みたいな世界観だね。『西郷どん』の奄美大島もこんな感じだったな。もういいかげん21世紀を生きてくれ。
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