『カムカムエブリバディ』第10回 昭和16年12月8日
生活が苦しくなる中、ついに昭和16年12月8日――真珠湾攻撃となりました。
ラジオ英会話も終わります。
稔と勇の雉真兄弟。そして安子。つらい時代の三角関係はどうなる?
NHK大阪が苦しいことはようわかった
もう二週目で息切れが露わになって厳しいものがあります。
時代考証が無茶苦茶で、日中戦争と太平洋戦争の区別があんまりついていなさそうだとか。物資の配給とか。このあたりは調べるとものすごく大変だし、地域差もあるのだけれども。本来そこがNHKの強みであったはず。今は近代ものの映画だってNHKの助力なしではセットや小道具が揃わないともされている。強みはあるんですよ。
『しかたなかったと言うてはいかんのです』なんてよかったじゃないですか。それこそ『おちょやん』なんて素晴らしかった。それがなぁ……。
若い男性はもうどんどん兵隊にとられると口にされたり。真珠湾攻撃を聞いて暗い雰囲気だったり。なんだかおかしい。英語を学ぶ安子が暗くなるのはわかります。英語圏と交流がある。知識がある。そういう少数派は落ち込んでいたそうです。でも、周囲はもっとパーッと喜んでいてもよかったんじゃないかな。目の前が開けたような感覚を持つ人が多数派だったといいますが。
これは描き方の問題でしょう。『おちょやん』では開戦当初、愛国もので儲ける主人公たちが描かれてはいた。けれども、それがだんだんと危うくなってゆき……。しかも、反戦思想を明確に持っていた、ソ連亡命する人たちまで出てきましたからね。ハードルを上げたもんです。それ以前でも、『ごちそうさん』ヒロインは愛国婦人だったものの、大好きな食べ物がどんどん粗末になり、我が子を徴兵されて失い、己の愚かさを痛感した。『カーネーション』は幼馴染が中国戦線で精神崩壊するところまで描いた。
そういう描写の浅さがどうにもよろしくないと思うんだなぁ。
今回はスイッチオフなんでしょうね。あやふやなまま走っていると。
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