『おかえりモネ』第91回 突風とプロポーズが襲ってきた
どうして自然に私たちの思いは通じないのかしら?――そう雅代が嘆く。そんな週明けです。
永浦家、突風が直撃していた
永浦家は突風に直撃されていました。モネの電話に、亜哉子が応じます。幸いにも祝日で家族全員家にいまいsた。風強くなったと思ったら一瞬でめちゃくちゃになったものの、無事だといいます。ここで耕治が、じいさんがいないと言い出します。ふらっと龍己が戻ってくる。海を見に行ったそうです。
「こんな時勝手に出ていくなよ」
そう耕治はいいまが、気になることがあったのでしょう。
モネは、家族は無事だと朝岡に報告します。朝岡は局地的な突風は観測技術が発達しても予測できないし、被害も把握できないと言います。だからこそ、その場に気象予報士がいたら対処できるのかもしれない。そうモネはつぶやく。それが永浦さんが目指すものだと朝岡は納得します。
東北のじさまは強がるからさ
モネはコインランドリーに小銭を入れて、未知にメッセージを送っています。さっきのは竜巻だったかがわからない 片付け大変じゃないかと送信します。
永浦家には、漁協の副組合長から電話があります。龍己はカキ棚について「あの程度なら大したことね」と返し、電話を切ってしまいます。
でも、これが本作の難しいところなのですが。このドラマって、真実とはちがうことをセリフで言ってしまう。何が本当か周りの反応も見ましょう。
「おじいちゃん、カキ棚あの程度って……」
そんな反応を示す周囲。ここからも考えましょう。龍己は「海、見でくる」と言います。大袈裟にすんなとも言っている。軽い被害ならそんなに見に行かなくてもよいはず。未知が異変を察知して気遣っても、龍己はこうです。
「いや……」
このドラマは東北のことを理解しています。
東北人は被害や苦痛をあまり言い出さない傾向があります。全国の患者さんを見た医療関係者がそう語っておりまして。
関西だと本人も家族だと「なんとかならへん? 痛いわ〜」と言いそうな症状でも。東北の人は黙って我慢するか、「たいしたこどね!」と隠してしまう。それは奥ゆかしいけど困ったことだと。
龍己は、典型的な東北のじさまなのです。
菅波が隣にいる
モネがコインランドリーで目覚めると、横に菅波がいました。
「いつ?」
「さっき」
神出鬼没だ。モネは思わず「起こしてくれたらよかったのに」とこぼします。しかし、菅波は「疲れてるだろうと思ったから」とのこと。ここでモネはスマホをチェックし、こうつぶやきます。
「返事ないか……」
もう終盤だし見ている側も慣れたと思いますけど、モネって感じ悪いと言えばそうですしょね。彼氏がいるのにスマホで他の人のメッセージ確認してんじゃないよ! そう思われそうではあると。しかし菅波ではそうでもないので、モネは実家が突風被害に遭ったこと、たいしたことなかったということを伝えます。
そのあと、やっと菅波にこう言います。
「あれ、先生来週東京」
「もう来週になってますね」
菅波は語ります。台風ひどかったからまだ仕事忙しいと思ったけど、今日祝日で仕事休みだし、そして何より明日はモネの誕生日。
「別に合わせなくてもいいと思ったけど、こういうのはタイミングだから」
「え、ここで」
「ここでは流石にないんだけど。今回僕がこっちに来ているうちにとは思っている。これはもうほとんど言ってるか」
この二人はもう名カップルになりつつあるようで、やっぱりどこかズレています。最近の朝ドラの流行ですね。この二人の場合、双方がズレているので不思議と噛み合います。
モネが困惑していると、菅波は切り出します。
「百音さん、今日僕がこっちに来たのは」
ここで洗濯終了の音。大丈夫、洗濯はいいから続行だ。
「永浦百音さん」
「はい」
ここから先が菅波のプレゼンです。
理屈じゃない、感情がすべてだ!
「僕はあなたが抱えてきた痛みを想像することで、自分が見えてる世界が二倍になった。僕はあなたといると自分がいい方に変わっていけると思える。多分これからも。だから……」
ちがう!
そうセルフダメ出しをする菅波。
「理屈ではそうだ。でも理屈じゃない!」
でた。理詰めでやりすぎて失敗することを菅波は学んだ!。
「何なんだろう。僕らの今の生活、今までの生活……あなたは今どうみてる?」
いや、そんなもん嫌だったら別れてますよ。モネは東京と登米と行ったり来たりで、時間がなくて寂しいと言います。
「僕だってそうだ! 理解はしているし、関係は悪くない。ほっとする。離れる時はこの時間が続けばいいのにと思う……これだ! この感情がすべてだ!一緒にいたい。この先の未来、一分一秒でも長く結婚したいと思ってる。あ、いや、今は答えなくてもいい」
菅波、思ったことを全部そのまましゃべってる。彼は思ったことを隠蔽するか。全部出すかの二択だからさ。
モネは困惑しています。菅波はまた勝手に一人で結論出そうとする。
「いや、いいんだ。明日でまだ24だ。考えちゃうだろうし、この先のこと」
モネは当然考えます。
菅波は条件を詰めてきます。愛の告白だろうと、条件は詰めないとね。
モネにも仕事がある。地元に戻ろうと思っているなら、なおさら即答できない。菅波は東京に戻ろうと思っている。言ってなかったことを侘びつつ、中村先生から大学病院に戻るよう言われたと告げます。モネにも相談しようとは思っていたそうです。
5年間地域医療に携わってきて、その重要性は感じている。ただ、医療の進歩も感じている。一度戻ってもいいと思ったのだそうです。
「先生が東京に戻って、私がこのまま東京にいたら、このまま一緒にいられる」
モネが話をまとめました。菅波は割と話がとっちらかるから。
「それが理由で結婚を持ち出したわけじゃない! あなたには自分の思うようにして欲しい!」
菅波、なんかうろたえてる。自分への愛でキャリア定義をされると困惑するんだな。キャリアを変えて、それで愛が壊れたらダメだもんね。
自分のために彼女が色々捨ててくれる! その手の愛って、菅波はむしろドン引きだ。相手が何かを犠牲にしてまでついてくるのって、愛情の深さでなくて支配欲でしょ? なんかそれ、ちがうよね。
「でも……」
ここで電話が鳴りました。明日美です。明日美は母親から聞いていました。迷惑をかけたくないから言ってないかもしれないけれど、カキ棚の被害がすごい。島のみんなが手伝いに行っているけど、色々流されている。停電してカキ小屋も大変!
モネが深刻な顔でそれを聞いていると、菅波は声をかけてきます。
「どした?」
「あの、うちの風の被害がひどいって」
「早く家に連絡した方がいい」
迷わずにそう言う菅波です。
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