『ちむどんどん』第108回 がんばれ、無理するな、冒険する女の子よ
清恵が結婚していたなんて! そう憤りを見せる賢秀。惚れてたのか?
賢秀と清恵
清恵の過去に賢秀はショックを受けています。二ツ橋のように「後輩や友達として語るけど実は自分語り」が通じていなかった模様。
清恵も、賢秀のやらかしのことを覚えている。
そう憤り、本気でカーッと熱くなるのは惚れているってことですよ。結局、お互い家出しようとして、清恵が一足先に出て行っていたんだけども、これはもう、運命を感じるってもんよ。
清恵の行き先として、住み込み水商売を探すことにします。当時の時代背景からして、そこは絞れたんでしょう。高卒で田舎の女の受け入れ先として、ああいう業界は存在しておりまして。
そして源氏名で働く清恵の、いかにもな格好。サラリーマンだって「田舎から出てきた芋ねーちゃん」と小馬鹿にして遊んでいたんだな。ウイスキーはサントリーのダルマか、はりきってジョニ黒(ジョニーウォーカー黒)にしちゃう? そういう時代です。
それにしても佐津川愛美さんはかわいいな。昭和の田舎出身、キャバレーの垢抜けない女になりきっている。もう清恵しかない。かわいい。ともかくかわいい。覚悟を決めるんだ、賢秀!
ちむどんどんは一時休業
ちむどんどんは客足回復せず……。
銀行から人件費削減を提案されても、首を縦に振らない暢子。矢作は結構いいお金をもらっているんでしょう。でもそれは彼の技術への対価だし、そこを値切りたくない。技術に対価を払わない。技術への敬意がないそんな経営者とは正反対の姿勢が素晴らしいと思う。
暢子に欠点は山ほどあるけど、芯が通っていていいと思うんですよ。
そして二ツ橋の言っていたこと。飲食店の成功よりも幸せになることが大事だと。周囲の助言で暢子は一時休業を決めます。
冒険する女の子
そしてしーちゃんと波子が応援にきました。暢子が「しーちゃん」とさらっと出てくることに感動しましたね。
そのしーちゃんは女の子ならピアノを習わせたいと、おもちゃのピアノを買ってきています。ジェンダーの押し付け? さあどうかな。しーちゃんは女の子の多様性を理解しています。
重子の中では、女の子は色々いる。暢子は冒険する女の子になりました。遠い島からやってきて、海を渡る女の子。そう暢子をキャラクターとして確立したら、もう憧れしかないんですね。長くつ下のピッピ系のヒロインになった。
だからそんなヒロインには休んで欲しいの! といっても重子でなく、波子が差し入れを持ってきます。
山形から来た女の子
波子の差し出す料理は、菊のお浸しといごねりがある。庄内地方でしょう。「うんめぇ!」と言っていたから、南東北だと思っていましたが、山形県であると。
いごくさも、食用菊も、当時の東京ではなかなか手に入らないのでは? それでもなんとかして故郷の味をと解けたい誰かの努力の結晶でしょう。
波子も庄内地方からやってきた、冒険する女の子ですね。
そしてそういう流通があれば、暢子の困難も解決できると。沖縄から仕入れることで、コストが嵩んでいます。そこをどうするか?
豚肉は? 関東で沖縄料理に合わせて加工する業者があればいい。答えが見えてきましたね。
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