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『おちょやん』100 そして道頓堀から千代は消えた

 一平が灯子との間に子を作ってしまう。千代と一平は離婚する。それでも、二人は劇団に残る。一周年記念は『お家はんと直どん』です。

ほつれたら縫うか、買うか

 衝撃的な座長夫妻の報告に、動揺する一座。香里は千代にそれでええんかと言ってしまう。千代は腹を括ったと微笑みます。そして初日が終わり、千代が作る大阪郷土料理・魚すきを皆でつついています。まいど美味しそう。
 でも千代って、役者として演じてからこれだけの食事作って片付けるわけですからね。そら大変よ。みんなでわやわやと鍋を囲み、みつえと一福もやってきますが、一平はそこにはおりません。
 ここで香里もみつえも「独り身」と言うわけです。テロップも竹井千代になった。千代は独り身について軽くかわすものの、内面はわかりません。
 それどころか笑顔で乾杯。千代ちゃん、クイッと日本酒飲む様がこんなに似合うようになって。
 そのあと、みんな酔い潰れています。

 千代は一人、座布団を繕っている。起き上がったみつえは明日も舞台あると気遣うと、気を落ち着けるために縫い物をしていると。そうそう、千代と同年代の女性にはこういうところがあった。
「どんだけほつれても、全部うちが縫ったるさかい」
 そう言うみつえ。ほつれたものは千代の心か、結婚生活か。
 香里も起きてきて手伝おうとする。千代は裁縫できたんかとからかい半分でいう。誰でもできると香里は言いつつ、いきなり針で指先を刺してしまう。香里はいっそ新しいものを買えばいいといい、千秋楽のあとでそうしようと話をまとめます。これも香里らしいなぁ。そうやって取り替えていくから一人とじっとしてられんのやろなぁ。
「約束やで」
 そう拳をつきわせる三人。この三人はもうええ歳。ガールズトークというにはちょっと歳を召して……ってなるかもしれへん。このあいだも「女性というには、あまりにもお年」で炎上しましたが。せやない。千代は少女時代からこう。今もこう。歳とったくらいで女辞められるわけあらへん。

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2020年度下半期NHK大阪朝の連続テレビ小説『おちょやん』をレビューするで!週刊や!(前身はこちら https://asadrama.com/

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