『らんまん』第122回 さようなら、植物学教室
万太郎は決意を胸に、徳永の研究室へ向かいます。
いままでお世話になりました
万太郎は紀州熊野神社のフローラをあつかう雑誌を徳永に示します。国家による合祀令により失われる植物です。徳永は大学の立場を示し、南方熊楠収監を伝えます。
しかし万太郎は、はっきりと南方ではなく自分の意思だと言い切る。もっと彼が若ければ会いに行ったかもしれないけれども、今は彼に大学の身分があるから会わなかったと。徳永はそれでももう庇えないといい、今学期限りだという。万太郎は先んじて、お世話になったとお礼を言います。
ツチトリモチがいた森は年明けには伐採が始まる。万太郎はそうなるまえに『日本植物志図譜』と紀州熊野のフローラを各所に送ると言います。大学には関係ない、あくまで自分の行動であると。万太郎は自分の勝手だといい、許しを乞います。
徳永は引き止めようとします。合祀令をみてみぬふりをして植物学者で生きる道はあると。働くならば満洲があると強調する徳永。この作品は「満洲」や「台湾」の存在感が強いと思います。これはなかなか重要でしょう。
満洲で植物学をやるというのは、ある意味“花形”になれる。満洲の気候で育つ農作物が何か見極めることは、国家に尽くす早道となる。満洲に移住した日本人の悲願は稲作でしたから。
それを万太郎はきっぱりと断り、お礼を丁寧に言います。ご恩は忘れないとまっすぐな目でみつめる徳永。彼はこう歌を詠みます。
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