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『舞いあがれ』第36回 パイロットの夢へ舞いあがれ

 舞ちゃんは受験に挑戦だ!

親ガチャ当たり組の“青春”か

 大学の単位を取得しないと説明されて、だったら中退を止めた親が正しかったのではないかと思えましたよ。バイト先でも心配されておりましたが、自分の都合だけで勤務先でも迷惑かけるってどういうことなのか。しかもこのバイトはロードバイク代を返すためのものでもあり、もっと悲壮感があってもよさそうなものですが。

 舞の無茶苦茶さは、親ガチャ当たりだからできる。こうして勉強するのだってただではできません。親のサポートは描かれます。でもそれが当たり前になっていて、とってつけたように感謝を笑顔で伝えればいいという描き方ですよね。
 このあたり、『ちむどんどん』の暢子とそもそもの難易度が違うわけです。『おちょやん』や『スカーレット』ともそりゃね。ここ数作朝ドラでは最も甘ったれた環境で、まさに親ガチャあたりといったところ。

 たかしもそうです。なぜ、俳句を詠むようになったら仕事もせず島根に何週間も旅行に行けるのか。このドラマの制作者は文学を舐めているのか。働きながら文学を生み出していた作家は例外だとでも思っているのか。店の手伝いをしながら書くのではいかんのか。それが許されるのは、要するに親ガチャで当たったからではないのか。努力や才能は関係ないのではないか。

舞は知性を感じさせない

 舞はいつも作ったような笑顔に、やりすぎたメイクに、キャピキャピした裏声に、うすら間抜けさが目立つ言動をしています。パイロットになりたいとゆるふわなことを言うわりに、理論は語らない。とってつけたようなお勉強の場面だけでなんとかなっています。
 『おかえりモネ』の場合、モネは日頃から言動が聡明だった。そういう描写の差があるのに、愚昧の象徴じみた舞は一発合格で、モネは挫折する。そういうリアリティの差がさあ……。
 スマホゲーの広告動画みたいな世界観だな。

量産型クール系がキメキメ

 学校で出会うただの感じ悪いやつはなんなのか。
 無愛想な男性は朝ドラにいます。すっとぼけているのもいる。例えば『おかえりモネ』菅波は意図的に感じ悪くしているわけでなく、性格的にそうなっていると思えた。

 一方でこいつは、いちいち「クールにしゃべるぞ!」と気合を入れて、キメキメにそれっぽく作って話しているのがわかってわけがわからない。しかも悠人とキャラがかぶっている。
 わざとらしいという点では舞や久留美もそうで、「愛想よく! かわいらしく!」と気合を入れているのがわかる。舞はいつも目を見開き気味、ぶりぶりした裏声でほぼ常に気持ち悪い。
 高畑淳子さんが自然で素晴らしいという意見を見かけたけど、他の連中が作り込みすぎとるだけでは。

ナレーションが気持ち悪い

 ナレーションが下手で気持ち悪い。でもこれが好きな人はいると思う。あのナレーションは過剰な説明と、おっさんが若い娘にデレデレしながらちゃん付で愛でる心理を体現している。そういうのが好きな人にはたまらないのでしょう。いつから朝ドラはそんなサービスになったのか。
 でも本作は女性を応援してませんからね。おっさんよしよしコンテンツだから。

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