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  • モノと僕

    大切なモノ、思い入れのあるモノ。 そんなモノへのこだわりや、モノを介したヒトとの思い出を綴ったエッセイです。

最近の記事

ジャージのズボンと僕

僕は今でもよくジャージを履く。スポーツをするときにも着用するが、大体部屋着だし特にこだわりはない。しかしなぜかわからないが、ズボンは必ず黒いものを買ってしまう。上は何色でもいいのになぜだろうと思い返してみたら、僕なりに黒いジャージに思い入れがあることに気が付いた。 中学生の頃スポーツ系の部活動に入っていて、部活用のジャージを持っていた。ミズノのジャージだったと思う。過酷な練習というほどでもなかったが、それでも激しく動き回り転んだり膝を擦ったりしていると、ジャージの膝のところ

    • 波浪警報と僕

      これはモノに当たるのかは分からないけど。波浪警報とは気象の特別警報の一つで、気象庁のウェブサイトには「波浪警報は、高波による遭難や沿岸施設の被害など、重大な災害が発生するおそれがあると予想したときに発表します。」と書いてある。 僕の生まれた街は日本の南部に位置し、夏になると台風があたることが多い地域だ。小学生の頃もひと夏に1,2回は台風による休校や早退があったように思う。 その度に小学生の僕らは不安よりも非日常のワクワクで満たされてしまう。俳句コンクールでそんな内容の俳句

      • メガネふきと僕

        僕は目が悪い。だからコンタクトを使わない日はメガネをかけている。今はPCメガネなどもあるのでメガネをかけている人がみんな目が悪いからそうしているわけではないのだろうが、少なくとも僕はとても目が悪い。コンタクトやメガネなしには生きていけない。 コンタクトならそういうことはないのだが、メガネはたまに曇る。急に暖かいところに出たり、温かい食べ物の湯気を浴びたりすれば、たちまち面白いビジュアルになってしまう。傍目から見て面白いだけならいい。でも当人は何も見えなくなってしまうのでその

        • ココアと僕

          紅茶、コーヒー、ココア、温かい飲み物全般が好きだ。コーンポタージュも好きだ。冬になると、アルバイトの帰りにいつも自販機でコーンポタージュを買っていた。ひとまず冷えた手を温め、コーンを一粒残らず全部飲もうとして缶の底をこんこん叩いたり缶を揺さぶったりしながら、最終電車を待つホームに吹き付ける風の冷たさをごまかしていたのを思い出す。結局、一粒残らずに飲めたことなどないのだが。これについてはいい方法があるのなら教えてほしいものだ。 寒い冬に、一人暮らしの部屋で鍋でバンホーテンのコ

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