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ΠΡΟΔΟΣΙΑ

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高校生の、何でもないエッセイです。
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記事一覧

高校生によるエッセイ 最終回「居場所」

エッセイ ΠΡΟΔΟΣΙΑ No.20 「居場所」  高校の卒業式からそろそろひと月が経つ。  小学校を卒業した時のことを思い出す。知らない親たちや特に関わりの無い者ばかりだった下級生たちに見送られ、体育館を一定の間隔で立ち去っていく。僕の通っていた学校は4階建てだったので、体育館のある1階から、1、2年生の間に使っていた教室に面した長い廊下を歩き、その突き当たりを左に曲がってこれまたさらに長い階段を上って行く必要があった。その階段を上っている間に、前後に何があったかはも

エッセイNo.19「許すこと、許されること」

高校生によるエッセイ ΠΡΟΔΟΣΙΑ No.19 「許すこと、許されること」  僕は嫌いな人が多いので、その分沢山の人に嫌われていると思っている。  三月ももう末。あと一週間もしないうちに引っ越しをして大学生活が始まる。一人暮らしという大きな自由の手前で足をぶらぶらさせながら腰かけている今の時期は、一番メンタルに来ることを考えてしまう。  先日、地元でKing Gnuのドームツアーのファイナル公演のライブビューイングが行われた。ファンクラブに入会しているものの、今まで

変な高校三年生による「個人的2023年ベストソング」

 引っ越しに関するいろんなごたごたがひと段落したので、今日もエッセイという体で駄文を書く。ここのところ色々と書き溜めているエッセイがあって、いつか公開できるといいなと思っている。多少の時間軸のずれがあると思うのでそこのところご承知願いたいです。  この記事は中途半端だったので、公開するかしまいか悩んでいたものです。時間軸のずれとか言っておきながら冒頭から約四か月前のことが書かれているので困惑するかと思いますが…今更ですが2023年のベストソングを…まとめました… ΠΡΟΔΟ

エッセイ No.17「猫」

エッセイ ΠΡΟΔΟΣΙΑ No.17 「猫」  僕の家には御年11歳の猫が住んでいる。名前はミュウ。ペットは飼い主に似るとは言ったもので、僕の両親に似てかなりの大柄猫である。黒猫で真っ白のハト胸とタビ模様、額にはちょうどど真ん中に白毛でワンポイントな模様と、口と鼻から牛乳を垂らしているような模様がある。親バカかもしれないが、うちのミュウほどきれいな模様の猫はいないと思う。  ミュウが家にやってきたのは小学二年生の頃だった。僕が幼稚園児の頃に住んでいた村へ遊びに来た日に、

No.16 「やるせない報せ」

エッセイ ΠΡΟΔΟΣΙΑ No.16 「やるせない報せ」  高校の卒業式が終わり、一見暇だけど忙しい日々を送っている。昨年亡くなった敬愛する坂本龍一さん、高橋幸宏さんの曲をよく聞きながら引っ越しの作業をしている。お二人をはじめ細野さんの曲もYMOの音楽も聴く。彼らの音楽はものすごくポップに感じたりしんみりしたりロックを感じたりと、一つアルバムを聴くだけでも忙しくて耳が心地よく、受験勉強の憂さ晴らしに夕方の公園へやってきた時のような感覚に包まれる。しかしふとした瞬間に、細野

No.15 「予感」

No.15「予感」  大学の合格が決まった。第一志望の学校だったのでめちゃくちゃうれしい。しかし英語系の学校ということもあって、いくら得意だとはいえども英語の勉強を続けなければならないことになるだろう。音楽を作ったり絵を描いたりすることもその慌ただしい毎日の合間を縫ってやっていかなければならなくなるかもしれない。大学の中退だけはしたくないのでそこんところは身を賭してでも頑張る所存ではある。  とはいえ、今までこれほどまでに勉強を頑張った期間は無かったので、第一志望に現役合格

No.14 「FEEL LIKE FANTASY」

ΠΡΟΔΟΣΙΑ No.14 「FEEL LIKE FANTASY」  最後の更新からどれだけ時間が経っただろうか。受験勉強に力を入れるため色々なことを禁止していたので必然的にこのエッセイも書くのを止めていた。  二月になり大学入学共通テストや一般入試を終えて、今はその結果に怯えながら、住み慣れた部屋の中で粛々と日々を送るばかりである。髪と髭が伸びた。  高校の授業はもう終わって、週に一度、たった一時間だけ登校するだけになってしまったので時間をもてあそぶ毎日。「ウルトラ

ΠΡΟΔΟΣΙΑ No.13 車窓より

東京へ向かう電車の中にて。目前の小さな荷物置きにインスタントカメラと本を積み、場違いなグミの袋ととおにぎりを広げ、僕の目は車窓の外と本とを往復している。 片耳には椎名林檎の「モルヒネ」を再生しているイヤホン。手元にはジッドの「地の糧」。度々車窓の外へ意識を飛ばすと田舎の風景の中に確かに荒廃感と最新感を感じる景色が広がる。 今、僕は高校最後の一大イベントのような感覚で全国大会へ向かっている。 音編集で手伝った班が全国大会へ出場するということで、その付き添いも兼ねてやって来た。

ΠΡΟΔΟΣΙΑ No.12 「タイムリミットについて」

どうも!エッセイのコーナーです。 プロドシア No.12 タイムリミットについて  あらゆるものにはタイムリミットがあると、ここ数カ月の間そう強く感じている。  約三年(無断休部期間を含む)間の放送部での活動が終わり、いよいよ進路選択という最悪の一大イベントの気配に四方八方を囲まれ、嫌が応にもその準備をしなければならない。季節は夏。七月がやってきた。  七月だ。六月初めに入会した源さんの「YELLOW MAGAZINE +」が三度目の更新を迎え、四月から続いていた米津さん

ΠΡΟΔΟΣΙΑ No.11「怒り」

 自分のTwitterやらInstagramやらに学校の人達という繋がりができてしまったので、この最果ての肥溜めの様なエッセイを彼らだけには見られたくないので、名前を変えました。  kodomowaltz。響きがいいですね。 でも飽くまでも僕は僕なので、チビットスナギツネでもあるしばらんぼうでもあるしkodomowaltzでもあるので悪しからず。今後ともご贔屓にお願いします。  今日はエッセイです。  ちょうど去年の今頃に、放送部でのことを書いたエッセイを書き込んだ気がす

No.10「あれから」

高校生によるエッセイ「ΠΡΟΔΟΣΙΑ」 No.10 どうも、お久しぶりです。チビットスナギツネです。 昨年始めたこのΠΡΟΔΟΣΙΑですが、月一で書く暇もないほどに僕自身のライフサイクルがぐんぐんと加速して、ここに割く時間が全くと言っていいほどなくなってしまい、前に書いたエッセイを見返してみると一年前に比べてかなり心境が変化してることが明確に判りました。 そんなわけで、どうにも書くことのないエッセイですが、受験生になって忙しくなる前の今しかかけないエッセイを、できう

変人高校生が選ぶ!今年のベストアルバムTOP10

ご無沙汰してます。チビットスナギツネです。 最近エッセイの代わりに日記を書き始めたのですが、これが思ったよりも心の中の整理ができる物になったので、自分の中でエッセイを書く時間をどんどん削ってしまってましたので、もう今年のまとめ的な時期なのにエッセイが書けてません。 お茶を濁す代わりに、エッセイもどきとして今回は今年リリースされたアルバム(シングル/Maxisingle含む)の中で、個人的ベストアルバムTOP10を書いていきたいと思います! 変人高校生の選ぶ!個人的今年のベ

高校生によるエッセイ ΠΡΟΔΟΣΙΑ No.9

いや、時間が経ちましたね。もうすぐ10月ですってよ。 高校生によるエッセイΠΡΟΔΟΣΙΑNo.9 「なんとか生きてます」僕の記憶では、このエッセイの更新が止まってから3ヶ月、プレイリストを作るのを止めてから2ヶ月が経った。 あれから本当に沢山の理不尽に巻き込まれ、割と今までにないほど疲れてしまって、暫くこんなものを書ける暇などなかった。 放送部の大会で無理強いをする後輩と対立し、結局3人程度で作ることになったラジオドラマが県大会で止まり、3ヶ月間毎月テストや模試が連続し

高校生によるエッセイ ΠΡΟΔΟΣΙΑ No.06「桜が咲いている」

 遽しい日々が続いて、エッセイを書く時間がとれず今に至ります。高校2年生になりました。  今年度ももっと文が上手くかけるようになることを目指し、エッセイ然りライナーノーツ等など書けて行けたらいいなと思います。よろしくお願いします。 夜の匂いは好きだ。春、冬、季節や日にち、天気によって変わるけど、その奥底には共通して温かみがあるように感じるからだ。ある日の深夜2時。夜の匂いに紛れて、近くの道を通ったトラックの排気ガスの匂いと、どこからともなくコーヒーの匂いが香り立っていた。