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ドラマ「マスクガール」の感想

※ネタバレ若干含みます。




テーマは恐らく「母の愛」

韓国ドラマといえばヒットした有名なドラマしか見た事がありませんでしたが、
「マスクガール」なかなか面白かったよ。次が気になる感が凄いから笑
という知り合いの言葉で見始めました。

ヤバい。1話目から本当に次が気になって気になってしょうがない。

さすが熱く激しい韓国サスペンスドラマ。飽きさせません。
早く次が観たいのでイントロもスキップするよ。

原作者によると、途中までは恋愛コメディ路線の構想だったそうで、もしこのままだったら途中で止めてたかなあと思います。
がしかし。
いきなりサスペンス方向にジェットコースター並に様変わりする内容。
それに追いつくのがやっとで、とにかく年代も俳優も変化するので字幕をうっかり見逃すと何が何やら…でした。

そんなこんなで「母の愛」がテーマだと気付いたのは後半。
娘がしたいこと、なりたいもの、に向き合ってこなかった母親。
自分の罪のせいで肩身の狭い思いをしなければいけなかった我が子を刑務所の中から憂う母。
息子が誰を殺害し自身も命を奪われたか、理由も調べずにただただ復讐に燃える母。

どの母親も命を差し出す覚悟で我が子の為に行動します。
3人三様の「母の愛」がそこには存在していました。
まあ、これは普通です。
めちゃくちゃでしたけどね。女同士であんな殴り合い(殺し合い)の喧嘩できるかなと思いながら見てましたけど。

物語は勿論、登場人物がそこに至るまでのストーリーが1話ずつあります。
分かりやすく丁寧に描かれていました。
主人公を3人の女優さんが年代別に演じていたのは少々混乱しましたが。

ストーリー序盤。
女の子は誰しも通る思春期に容姿を気にする時期があり、自分には得意なものがあるのに「顔がねぇ…」なんて言われるとそりゃマスクしますよ。
それで歌って踊り視聴者が喜んでくれるとなると、あそこまでやりますよ。
助けてくれると思ってたのにそうじゃなかったと分かるとそりゃ気がヘンになりますよ。

ってことで、ここから長い月日をかけてそれぞれの思惑や行動で、最終章を迎えます…。

ここでふと思い出したのが、ポン・ジュノ監督の「母なる証明」という映画でした。
「あの子がそんな事するわけが無い」
「あの子を守る為なら何だってする」
「あの子を葬るなら私も…」
こちらは序盤から苦しい内容で、偏見や差別満載で見ていて非常に辛いものがありましたが
ポン・ジュノ監督の映画の中で1番強烈に記憶に残っているものです。
息子を守る母の狂気。それ以外何も無い世界です。
最後ひたすら踊ります。

その映画の母親をマスクガールに復讐しようとする母親と重ねてしまいました。

「守る」と「復讐」
行動の仕方によっては同じ意味なのかもしれませんね。
あの異常な狂気は、たとえ我が子が犯した罪を理解していたとしても、まともに思考できる状態ではなかったんだろうなと思います。

戸籍上の私の母が、戸籍上の弟の事を
「あの子がもし人を殺したとして、世界中を敵に回しても私はあの子の味方をする」
とサラっと放った言葉を思い出しました。

さすが暇があれば弟の嫁の悪口三昧だった人。

「寝てたら赤ん坊が泣いて、嫁が何故気付いてあやしてくれないのか!と俺に罵倒してきた!ゆっくり寝させてくれない!義理お母さんまで赤ん坊の世話をしにきて俺の邪魔をする。」
と自分の母親にヘルプしてくる男に育てただけあります。

「あの子が可哀想。離婚させて地元に帰ってこさそうか。孫はいらんから。」

要するに孫より我が息子が大事で可愛い。
私ならこんな義理母と夫、気持ち悪くて無理だな。
なんて口には出せなかったけれど、母に軽蔑の眼差しを向けた記憶があります。

こんなドラマを見てしまったばかりにまた自分が見聞きした過去を思い出すクセ。治さないといけないな。
やっぱりあの人達は「異常」だった。ということにしとこ。

そういうことで
ドラマはとっても面白かったので機会があれば是非に。
Netflixにて配信中です。









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