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「フェルメールと17世紀オランダ絵画展」を観てきました

前回のnoteで書いたとおり、今月中に行きたかったフェルメールと17世紀オランダ絵画展に東京都美術館まで行ってきました。
金曜日の夜に行きましたが客足は多くなく、ゆとりをもって落ち着いて見ることができました。18:45ごろに入場して全部観るのに20時の閉館ギリギリ。

絵画展の見どころ

興味がある方ならすでに知っていると思いますが、この絵画展の見どころはフェルメールの「窓辺で手紙を読む女」の修復画です。

ドレスデン国立古典絵画館に本作が持ち込まれたときにはすでに何者かによって画中画のキューピッドが上塗りされていたと言われています。

その後、1979年にX線調査で壁面に描かれた絵が上塗りされたことが判明しています。42年経ち、わずか半年前の2021年9月に長年の修復プロジェクトが終わったばかり。
ドレスデン絵画館以外では、世界初公開という超目玉作品です。

本絵画展は、70作品が全部で7つのパートに分かれています。「<<窓辺で手紙を読む女>>の調査と修復」がそのうちの1つです。

  1. レンブラントとオランドの肖像画

  2. 複製版画

  3. レイデンの画家

  4. <<窓辺で手紙を読む女>>の調査と修復

  5. オランダの静物画

  6. オランダの風景画

  7. 聖書の登場人物と市井の人々

複製版画と他一部を除いて、1640年代から1670年代に描かれた作品が中心です。
フェルメールの絵が注目の的ですが、それに匹敵するほど繊細で細やかな美が表現された絵が数多く展示されています。

展覧会チラシより抜粋

「窓辺で手紙を読む女」

本絵画展のメインである「<<窓辺で手紙を読む女>>の調査と修復」では、
① 修復後の作品、② 原画に基づく修復前の複製画、③原画に基づく修復前の版画
の3種類
が展示されています。

つまり、修復前と後の絵を比較してみることができるようになっています。
また、修復プロジェクトの記録や途中の作業風景が映像で流されており、気の遠くなるほど細かく繊細な修復作業のようすが垣間見られます。

「窓辺で手紙を読む女」の絵は、単にキューピッドが塗りつぶされていただけでなく、周辺の壁面も上塗りされていたと言われています。修復前後の絵を比べてみると、全体的にくすんだ感じだった絵に彩度が戻ってきたようでした。フェルメールならでは青色もいっしょに蘇ってきた印象をもちました。

壁面に描かれたキューピッドは愛の象徴で、右脚で踏んでいるマスクは虚栄や模倣の象徴(たしか)であることから、女が読んでいるのはラブレターでその愛は虚栄などに打ち勝つものであるという解釈されているという話です(すこしちがっているかもしれません)。

当時、手紙を書く男というモチーフがかっこいいと流行していたと言われています。私には、それと対になるように、手紙を読むというモチーフが描かれているように思えました。

静物画と風景画で気になった作品

他の作品で見ごたえを感じたのは、ヤン・デ・ヘームの静物画「花瓶と果物」、ライスダールの「城山の前の滝」など。いずれも今まさに目の前に存在するかのような大きな作品です。引き込まれる感覚になり、記憶に残る作品でした。

前回メトロポリタン美術館展でも気になった、その時代ごとで着ている服の生地感が絶妙に絵で再現されている点に興味を覚えました。サテンの光沢感、レースの薄くて軽い風合いなどが見事です。

なぜ複製版画?

70作品の展示中、11作品が複製版画です。
なぜ絵画ではなくて複製版画?もしかしてバーター?と気になりました。
それを見るまでは。

複製版画はドレスデン絵画館が所蔵している絵がいかにすばらしいか、市中に伝え広めるために原画に基づいて1848年ごろに造られたそうです。

この複製版画はいずれもアルバート・ヘンリー・ペインという人の作品です。この展示のあとに続くフェルメールの複製版画にも、この人の作品があります。
フェルメールが原画の作品よりも前に置くことで、その精巧な技術がいかにすぐれているかを予告しているかのようでした。



次回はスコットランド国立美術館展

このドレスデン絵画館展がおわったら、4月後半からスコットランド国立美術館の展示が予定されています。

期待が高まる展覧会チラシです。
ラファエロ、エル・グレコ、ベラスケス、レンブラント、レノルズ、ルノワール、モネ、ゴーガンなど、ルネサンス期から19世紀後半までの西洋絵画史を彩る巨匠たちの作品を展示します。
東京都美術館ホームページより引用

錚々たる画家の名前が並び、公式ホームページや解説文を読むだけで今から楽しみになります。
会期も長く、暖かい春〜初夏の季節なので晴れた日にいけると上野公園の散歩もいっしょに楽しめそうです。

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