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So where am I now ?

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わたしは夢を見ました。
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24の蝋燭

24の蝋燭

ねえ、好きだよ やっぱり

君との時間は 花占いを終えるまでのわずかな時間だった それでも僕は今でも 君と なんて思うんだ

そんな君に見せたいものがある それは"今の僕"
あの時の僕は海に浮かぶプラスチックのようにあまりに不格好だった でも今は ドレスを着た海月になれているんじゃないかな

なんだか 会いたいと思うようになったし 触れたいとも思うようになった 今の僕になるまでに 地球は太陽の周り

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あなたの虜

あなたの虜

わたしはわたしが嫌いだった。

そのときに比べると

今は、今のわたしが好きだったりする。

好きな服や、はじめての髪型

唇に艶やかな色をのせるのも

全部自分のためでいいんだって。

お気に入りの自分でいるために。

でもほんの少し

あなたの目にも熱を持たせたい。

誰かが言ってた。

「君の隣にいるとあたたかくなる」

と。

きっとその言葉に深い意味はなくて

ただそのゆっくりと流れる時

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誰かの1番になるの難しすぎんか

左翼を失った天使の秘色のワンピースは濁り、叶うことのない透明な夢を見ては、たった一度の魔法をかけるために世界を見下ろしている。

tuberose

tuberose

ゆっくりと時間が過ぎていく中で「今日はいい子にしてた?」「だめだったよ。机、散らかしてきちゃったし」なんて、なんでもない話をしていたいだけだった。

部屋で音楽を聴いているときに「あなたに触れて欲しいからまた髪を伸ばすね」と、肩につかないくらいの短い髪を触りながら言った彼女は笑っていなかった。
前にわたしが、「長い髪が好きだ」と彼女のその長くて透明な髪を結いながら言ったことを覚えていたらしい。でも

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依依恋恋

絡まったものを解こうとした。引っ張って、引っ張って、そしたら一層深く絡まって解けなくなってしまった。
ひとつひとつ丁寧に辿ると簡単に解けるはずなのに無闇に引っ張ってしまうのは、そうする術を知っていたのにしなかったからなのか、何も考えていなかったからなのか。

雨が降っている、この雨は誰を探しているのだろう、ふとそんなことを惟た。雨音が激しくなり眠れなくて窓を開けてみるとそこにはこの世の終わりみた

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雲一つない澄んだ青空と、太陽の光が反射してキラキラと煌く海。私はそこで静かに歌っている。誰もいない穏やかなそこはまるで、そこだけ時間が止まっているかのように思わせる。世界から全ての人がいなくなった。今日も私は静かに歌っている。

貴方と出会えたことで貴方がわたしの全てになった

数年前、気付けば私は死んでいた。

自分が今どこにいるのかもわからず途方に暮れていたところを、

「君の目は美しい」

と言って拾ってくれたのが弓親さんだった。

弓親さんと過ごすようになって少ししてから、弓親さんが死神だと知った。私は、弓親さんと同じようになりたくて、毎日鍛錬に付き合ってもらった。そのおかげで私は晴れて死神になり、前線に出られるようにもなった。

私はまだ、弓親さんの斬魄刀のこと

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夢の中で出会った名前も知らない貴方へ

夢の中で出会った名前も知らない貴方へ

わたしが海の底にいるときに手を差し伸べてくれた貴方。お元気ですか。

泳ぐことは苦手ではないのに、その日は何故だかどこまででも沈んでいけるような気がした。海の底に行きたくて、そこから空を見上げたくて、どこまでも進み続けた。

気付けばわたしは砂浜に横たわっていて、わたしを覗き込んでいる貴方と目が合った。太陽の光でほんのり透けるあなたの目はとても綺麗だった。

そんな夢から覚めたときにはもう、貴方と

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