見出し画像

やってるよ 掃除婦と書く人

介護施設で トイレ掃除をはじめて もうすぐ3年


ほぼ隔日の朝4時間 一階から五階まで
41基のあさがお(便器)がぴっかぴっかの白鳥になるまで磨く
この達成感がたまらない。
シュッとスプレー くるっとブラッシュ ササァ~とワイプ
シュッ くるっ サァ~ と リズミカルに一基ずつ
脳内はテイラースウィフト shake it off

フロアーは すみっこと気になるところをシュッとスプレーしたら
マット付きポールを手にフロアーダンスをする
車椅子も入れるゆったりフロアーをスーイスイと踊り 滑る
脳内はタイタニックのテーマ

shake it off 8回 と タイタニック2回
洗面台の水分を拭き 蛇口と鏡のくもり一点も残さない
トイレットペーパーとペーパータオルをたっぷり補充したら
これで一階分のそうじ 約30分。

一階から五階まで ざっと2時間半じゃん?なんてことはナァ~イ
仕事はじめにマット35枚をほどよく湿らせスタンバイもするし
ゴミをまとめ カートにのせてゴミ庫へと運ぶ。
2階と3階は入居階なので入居者さん約70人分のトイレゴミは
ペーパータオル8割とパット2割からなる45リットルのゴミ袋ふたつ
さらに職員さんがまとめてくれているパット10割のゴミ3〜5袋もある
胸の高さまで満杯になったカートをゴロゴロと運ぶとこまでが30分。
7時〜11時勤務なのだが、ここまでやって7時半、やっと掃除本番となる。
それからは 各階30分を目安に2時間半
遅くても10時半までにすべて終えてマット類を洗濯し干す。
翌日のために洗剤や補充用ペーパーなどをカートにセットし終業。

前半を終えてストレッチ、デューク更家ウォーキングも

叱られてもめげずにいたら 男児誕生もあった


「掃除って こんな時間にするんでした?」
言葉は優しいが 顔がコワ~イ 全身がキュッとなる
時間との闘いの日々だった私は 職員さんのお邪魔虫 Max。
トイレ誘導に合わせたかのように ジャストミートに邪魔し
S 主任から 怒りのビームが飛んできたのだった。

「入居者さんを 押しのけたらダメでしょ」<オシノケテヘン>
トイレットペーパーを補充しようした時も S 主任に叱られた
華奢な身体で華麗にすりぬけただけなのに・・・ビビった

「エレベーターを降りたらドアが閉まるまで待たなきゃ!」
またしても S主任だ ワタクシ狙い撃ちされてる? パワハラ?

お叱り乱射事件がつづき S主任との遭遇をさけてたら
ある日 彼がワタクシめがけてまっすぐに向かってくる
身体じゅうがこわばる 焦る 目をそらした そのとき

「きつい言い方をして すみませんでした」

謝った 上に立つ人が掃除婦に 男性が女性に 謝った
(思い起こしても夫に謝られたことなんて ついぞない)
叱られて謝られた 感涙のできごとだった。

三年間で いちばんのニュースは 新しい命の誕生
「掃除の仕事って 低くみられるでしょ」と
話しかけてきた20代のイケメン先輩Yさんに
「掃除のしごとは 求人誌の花形よ ルンバには奪えないし
 エッセンシャルやし 特に施設にイケメンは華やぎマックス
 日本の掃除しごとは世界にだってほこれるよ」
と返したことがあった。
彼は やがて アルバイトから正社員になって
キュートな介護士さんと職場結婚し
昨年 ベイビーが生まれた。きゃっほー!
私の年齢からは ひ孫のような男児の誕生日は
娘の第二の誕生日 骨髄移植と同じ日 
今秋は ふたりそろって 一歳と四歳を迎える。

「ありがとう こんなきれいなとこ ありゃせんで 」と感謝され
仕事仲間にも超絶でめぐまれ 職員さんと入居者さんのボケツッコミ
に口角も激あがり 徒歩で帰れば 万歩計は7000歩超
こんな楽しい仕事 ほんとに ありゃせんわ!

掃除のしごとは 特に書く人にお薦めしたい 


欠かさず一年365日磨かれているので 施設内はどこも綺麗
慣れてくれば 身体が勝手に動くし 頭ン中は自由にかけめぐる
仕事ちゅうに文やプロットが 汗のように
ワサワサと浮かんでくるのですから。 


病気知らずのひとり娘が 7年前に 白血病になり 

4年前までの3年間は全力で付添婦だった。

白血病の再再発があれば すぐに付添婦にもどれるよう
娘のもうひとつの病 統合失調症の急性期がきたら
寄り添って 湯婆婆にも エステシャンにもなれるよう
娘ファーストで選んだ仕事だった。
トイレ担当を希望したのは 早朝4時間の仕事が終われば
すっ飛んで帰り タサン志麻さん並みの美味しいご飯を
作るためだった。

もうすぐ3年になる ということは つまり
白血病の再再発も 心の病の急性期も 3年は無かった。
コロナ外来にも 3度駆けつけたがPCR検査は3回とも陰性
なんか 奇跡のように 嬉し麗し3という数字。

このまま 掃除婦と物書きを続けられますようにと
昨年書いてみた一筆啓上日本一短い手紙で秀作をいただいた。

#やって見た大賞  を見て ディンガディンガディン! 
ひらめいた

私という奴は やってみたことで できている

次の記事は オーストラリア移住&フリースクール計画 
その次は着物リメイクブティック店主 と 
「中津燎子の英語訓練」&中津センセの押しかけ秘書
をやってみた! です。


 







この記事が参加している募集

スキしてみて

やってみた

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?