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【創作文】塩対応のルミルミ

(488字 2022年1月頃つくったものです)

「ルミルミ、今度デートしない?」

「うん」

「どこか行きたいところはある?」

「ない」

「そしたら、何か食べたいものは?」

「ない」

「何かやりたいことは?」

「ない」

「……」

「……」

「じゃあ、僕に任せてもらっていい?」

「うん」

「じゃあ、あそこ行かない? 新しく〇〇駅前に出来た猫カフェ」

「うん」

「ルミルミ、君のそういうつれないところも好きだよ」

「……ねえ」

「ん? 何? ルミルミ」

「つれないなんて、言わないでよ。私は喋らないほうがいいって言ったの、あなたなのに」

「そうだったね、ごめん」

「……」

「ルミルミ、機嫌直してよ」

「別にいいよ。喋らないほうがいいなら喋らないから」

「ルミルミ……」

「ねえ、それより、猫カフェって猫同伴でもいいの?」

「さあ? 確認してみるね。もし大丈夫だったら、ルミルミまた……」

「分かってるわよ。喋っちゃダメなんでしょ?」

「うん。ごめんね。でも、僕と二人きりのときはもっと喋ってほしいな」

「もう! 都合いいんだから。だけど必要以上に喋らないほうが、長く関係が続くかもしれないわよ?」

「ルミルミ。君のほうが一枚上手だなあ」

とても嬉しいです。ありがとうございます!!