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初雪

初雪が舞い散る中、小さな町に住む少女、ミオは窓辺に立っていた。彼女の目は輝き、初めての雪に胸が高鳴っていた。ミオはいつもの学校の制服に身を包み、手には赤い手袋をはめていた。

学校では、先生が「今日から冬休みだね。皆、楽しい時間を過ごしてね」と言っていた。ミオは友達と雪合戦を楽しむことを決め、ワクワクと学校を飛び出した。

町の公園で仲間たちと合流すると、そこは雪景色に覆われていた。白い雪はまるで魔法で町を別世界に変えてしまったようだった。ミオは友達たちと一緒に雪だるまを作り、雪合戦を繰り広げた。笑い声が空気に溶け込み、町は幸せな雰囲気に包まれていた。

夕方になり、街灯が灯り始めた頃、ミオはひとりで散歩に出かけた。公園のベンチに座り、初雪を見上げながら深呼吸する。冷たい空気が肺に染みわたり、心地よい静寂が広がっていく。

すると、近くで小さな声が聞こえてきた。「こんにちは、初めての雪だね。」ミオは振り返ると、そこには一匹の小さな猫が立っていた。毛並みは真っ白で、ミオの心をなごませた。

ミオは猫に触れながら微笑んだ。「君も初雪が好きなんだね。」猫はにゃーんと鳴いて、ミオの足元でくるくると回りながら遊んでいるようだった。

その夜、ミオは初雪の日を友達や新しい仲間、そして小さな白い猫と共に過ごした。寒さを感じさせないほどに温かな時間が、町を包み込んでいた。初雪はただの季節の変わり目ではなく、新しい出会いや冒険の始まりを告げていたのだった。

冬休みが進むにつれ、町はますます雪で美しく飾られていった。ミオと仲間たちは毎日のように外で遊び、雪の中で楽しい思い出を作っていった。寒さを感じさせないほどに、仲間たちとの笑顔が心を温かくしてくれた。

ある日、ミオは公園で雪だるまを作っている最中、目を引く赤い鳥を見つけた。それは知らない鳥だったが、美しい羽根を持ち、雪の中で舞っているように見えた。ミオは興味津々で近づくと、その鳥は彼女の手元に降りてきた。

「あなたは初めての冬の使者だね。」ミオは微笑みながら言った。鳥は小さな歌を歌いながら、ミオの肩にとまった。それ以降、ミオと赤い鳥は不思議な絆で結ばれ、一緒に冒険するようになった。

町の人々も、ミオと彼女の不思議な仲間たちに興味津々で見守っていた。彼らの元気な笑顔や、冒険の様子が、町に新たな活気をもたらしていた。

冬休みの最後、町は大きなイルミネーションで飾りつけられ、夜空にはきらめく星が輝いていた。ミオと仲間たちは公園で集まり、一緒に暖かい飲み物を飲みながら冬の夜を楽しんだ。

初雪の日から始まったこの冒険の日々。ミオは心から感謝の気持ちで胸がいっぱいだった。新しい友達、不思議な冬の使者たちとの出会いは、彼女にとって宝物のようなものになっていた。

そして、町は冬の間も温かい思い出で満ちあふれ、初雪の日が訪れるたびに、みんなは再び笑顔でつながることを心待ちにするのだった。


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