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【肺がん】筋力低下でベッドに腰かけるのすら苦痛に。先生に叱られやっと重い腰を上げる。

ベッドに腰かけるのすらしんどいと感じる程の体力低下。
ここまで体力って落ちるんですね。

腹痛のおかげですっかりベッドに横たわる毎日になってました。食事もしてなかったし(=上半身を起こす動作をしなくなる)、トイレに行く・水を買いに自販機まで行く・歯を磨く、位でしかロクに起き上がってなかったと思います。お風呂は許可されてなかったので蒸しタオルで体を拭いてもらっていましたし。こうなると筋力は落ちる一方で、1~2週間もするとベッドに腰かけているだけでもしんどいし、歩くときは点滴棒をつかみながらじゃないと歩きにくくなってました。動くことが徐々に苦痛にかわってきて、ベッドで横になる時間がますます増えていきます。
そういった事もあり、そのうち先生から注意されました「貴方は動かなさすぎです」と。「私たちは半分しか手伝うことができない。薬を処方することはできるけど、もう半分は貴方自身がやらなければならない。それにはもっと体を動かしたりしないと」と。

水だけで力が出るわけ・・ないよね。点滴を眺めてたらやっと現実味を感じて反省した。

体動かすことと便秘解消とそんなに関係あるの?と思ったけど、ここで反省する出来事がありました。
自分の腕につながっている点滴を眺めていました。当たり前だけど点滴バッグに入ってるのは液体(=水)のみ。冷静に考えたらこの液体(点滴)とペットボトルの水しかこの1~2週間摂取してない。体を動かすことが苦痛に感じていることは流石に自分でも意識し始めていましたので「こんな水分だけで力なんか出るわけ・・ないよね。数十キロの体重を支えられるわけ、ないよね」と。なんか妙に冷静に思ったんです。で「体を動さなきゃダメだ」とストンと自分の中で落ちました。
便秘が解消すれば腹痛も解消するハズ。歩きなさいと言われる位なので最初は点滴棒をつかみながらモタモタ歩きでした。10周どころか1周だってしんどかったです。とりあえずは継続を目標にして始めました。

歩き始めて変わったこと

フロアを歩き始めてから実感したのは、フロアに居るのはリハビリで歩いてる患者さんだけじゃなく、仕事中の看護師さんたちもたくさん居ることでした。患者さんより看護師さんの方が多いくらい。つまり歩けば自然と、看護師さんたちの目にも止まるようになってくるのです。
そうなるとどうなるのか?歩いてる最中に看護師さんたちから「おはようございます!」「頑張ってますね~」など、いろいろ声をかけられるようになります。毎日の回診(体温等を測って報告をする時)でも「毎日よく歩いてますね~」と言われるようになりました。褒められれば単純に嬉しいですし、やる気にも影響したと思います(笑)。人に見られてると思うと背筋も自然に伸びてきます。人によってはアドバイスなどもしてくれました「手を大きく振ると良いわよ!」とか。また「今日は歩幅を大きめにして歩いてみよう」と普段と違うことをやれば「今日はいつもとなんか違いますね。なんだか元気そう。」とかも気づいてくれるんです。案外みてくれてるんだなーって感じました。

痛み止めも効かない、便秘も解消されない。
ないないづくしに、止まらないイライラとモヤモヤ感。

最初の1週間位だったかなぁ、何日たっても全然痛みが治まりません。入院までしてるのになぜ?痛いのなんて薬で簡単に抑えられるものなんじゃないの?と不思議でしょうがなく、とにかく悶々としてました。先生が回診にきてくれた時には「とにかくこの痛みを何とかしてください。お願いします」と繰り返し言っていました。でもいつも同じような返事で、そんななか痛みに襲われる。ストレスも溜まってきます。
「例えば寿命が短くなるけど麻薬(個人的には強いものを意味して言ってました)を使えば軽減できるというならそれで構いません。本当に、痛くて死にそうなんです」や、痛みが真っ最中の時は「この痛みがなくなるなら命なんてなくなっても構いません」といった事も言ってました。
痛みしかない毎日は、つらくてたまりませんでした。痛みが治まってる時に「(これまで)痛みがない生活って幸せなことだったんだ」と思いしらされます。
痛み止め服用後、早いタイミングで次の痛みがやってきた時がキツかった。中でも、これから検査という時にちょうどその痛みが来ちゃった時がありホント悲惨でした。どんな体勢でもつらいのに、検査室まで移動しなきゃならない。さらに検査(撮影)時にじっとしなきゃならない・・のですがそんなの絶対に無理です。普段は検査室までは車いす移動でしたが、その時はベッドごと移動してもらいました。布団とか枕とかをベッドと体の隙間に詰め込んでくれるのですが、痛いとうめきながら検査室まで連れて行ってもらいました。痛みどめを使用するには時間が早かったはずなのですがこの時は例外にしてくれたのか、早めだったけど使ってくれたようです。気が付いたら痛みが引いて検査も終わっていました。

腹痛を和らげるのに効果があったもの(薬以外)

1.お腹を温める
痛みがひどかった当初、看護師さんがお腹にあてるようホットタオルを渡してくれました(体をふいたりする濡れたタオル)。タオルを当てている時だけですが随分と楽になりました。痛みは無くなりませんが温めることで痛みが和らぐんです。ただすぐに冷えてしまうので何度も取り換えをお願いするのが申し訳なかったけど、本当に助かりました。
ただ・・2週間位たった頃だったかなぁ。低温やけどする可能性があるからと、急にもらえなくなったのです(私が低温やけどをした訳ではありません)。突然だったのでかなり困りました。やむを得ず違う方法で腹部を温められないかと、売店でホッカイロが無いか聞いたのですが時期的に売ってなくて入手できず。看護師さんに相談したら温シップを出してくれました。ただ効果はホットタオルのほうが断然上に感じました。

2.腹部をさする・さすってもらう(腸マッサージ)
お腹をさする方法は、自分でさするのと・他人にさすってもらうの両方がありますが、心地よさは「他人にさすってもらう」ほうが断然良いです。人(看護師さん等)にお腹をさすってもらうのは正直難しいのですがこれ、たった数分でも全然ちがいます。ホットタオル同様に痛みが和らぎます。
ただ腹痛に襲われている真っ最中でお腹をさすってほしいとお願いする必要があるので(自ら進んでさすってくれる人は相当気が付く看護師さん)ハードルは結構高いです。
あとハードルが高い理由はもう一つあって、お腹をさするのが上手い人が少ないことです。個人的な感覚値になりますが上手い人は3割位?だったかなぁ。上手じゃないと、逆に心地がよくないです。

お腹のさすり方

ご存じのかたも多いと思うんですがご参考までに。おなか(おへそ周りorおへその下あたり)に手をあてて時計回りに腸を刺激する様になでます。下から上にあげるように、腸の流れ(時計回り)にを意識しながら。経験ある先生のマッサージはそれこそ揉む感じでしたが、指でつかんでモミモミする訳ではなく、イメージとしては腸をゆらして刺激をあたえて便通を促すような感じですかね。上手な人にやってもらうと本当に心地がいいです、別に痛みが無い時でも。
便秘がひどい人におなかのマッサージをするサービス、あったら行きたいな。どこかで学べないのかなって真剣に考えてました。看護師さんに聞いてみたりもしました(笑)
ネットで検索すると、便が滞りやすい「腸の四隅」を意識して行うようにと書かれているものが多かったです。ネットで検索するとたくさん出てきますので、具体的なやりかたはそれらを参考にしていただくと良いと思います。

また、両手をすりあわせてお腹の痛いところへ手をあてるのも良いといわれました(これは気の流れなども関係するとのこと)。この話は私も聞いたことがあって、昔から病気の処置のことを「手当て」って言いますよね。
手をあてればお腹を温めることにもなるので、それからは意識してお腹に手をあてるようにしました。
マッサージをしてると「グルグル・・」って音が聞こえることもあって、そういう時はちょっとうれしかったです。

毎日大量の便通に関する薬をのみ、歩いて、水分をとって。本当に少しずつですが便が出るようになってきます。おそらくですが・・2週間を過ぎた位だったような気がします。

【余談】入院中にうれしかったこと

私は計画入院ではなく飛び込みの急遽入院だったからか、最初のうちはしょっちゅう部屋を移らされてました。そりゃベッドコントロールに間に合わないから仕方ないですよね。ほとんどが相部屋でしたが腹痛が始まってうなり始めた時、隣のベッドの人が「(ナースコース)押しましょうか?」とカーテン越しに言ってくれたのです。顔もまだ見たことない方だったし迷いましたが、最終的にはお言葉に甘えました。あの時は本当に有難かったなぁ。
そのあとお顔もわかるようになり、洗面所で会ったりすると会話をするようになりました。やっぱりお知り合いになれるとうれしいものです。

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