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WBC出場のマリナーズ戦士たち(後編)

日本時間10日、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の最終ロースターが発表。我らがシアトル・マリナーズからは、マイナー含め10人の選手が選出された。

前編で、あらかたその紹介は終わっている。ここでは、かつてシアトル・マリナーズに在籍したメンバーを(苦い)記憶とともに振り返りつつ、来るべき本番に思いを馳せていきたい。

■ドミニカ共和国代表に、多数の元マリナーズ勢

前編で紹介したフリオ・ロドリゲス、テオスカー・ヘルナンデス、ディエゴ・カスティーヨに加え、元マリナーズ勢もドミニカ共和国の代表メンバーとして出場予定だ。

ロビンソン・カノ―(ドミニカ共和国)

'22打撃成績
└ 打率.150/本塁打1/打点4/盗塁25/OPS.373
└ GG賞2回/SS賞5回/球宴8回/通算2639安打/335本塁打

まずは、ロビンソン・カノ―。ヤンキースで華々しいキャリアを築き、2013年12月にマリナーズと10年2億4000万ドルで超大型契約。2016年には自己最多の39本塁打を放つも、その後2度の薬物規定違反で名声は地に落ちた。もはや、第一線で活躍する力は残されていない。昨季は3チームを渡り歩きFAに。WBCがキャリア最後の舞台となる可能性が高い。

ラファエル・モンテロ(ドミニカ共和国)

'22投球成績
└ 71試合/5勝2敗14S/防2.37/68.1回/73奪三振/WHIP1.02
└ FIP2.64/K%27.0/BABIP.260/ERA+163/fWAR1.5/rWAR1.3

2021年、マリナーズで40試合に登板し防御率7.27を誇ったスーパークローザー。シーズン途中でアストロズへ放出されると、昨季は別人のような活躍。「モンテロ」姓で悪夢を見たマリナーズファンを、再び地獄へと突き落した。投げては失点を繰り返す、かつての姿はもう見られない。WBCの大舞台でブルペンの一角を担う。動画は2014年のもの。メッツ時代は先発でデビュー。

ネルソン・クルーズ(ドミニカ共和国)

'22打撃成績
└ 打率.234/本塁打10/打点64/盗塁4/OPS.650
└ 本塁打王1回/打点王1回/SS賞4回/球宴7回/通算2018安打/459本塁打

2013年の第3回大会、ドミニカ共和国代表としてベストナインの活躍。2015年からのマリナーズ在籍4年間では、163本塁打を放った右のスラッガー。現在42歳で衰えの兆しが見られるが、パワーは健在。自身2度目のWBC世界一を目指す。

ジーン・セグラ(ドミニカ共和国)

'22打撃成績
└ 打率.277/本塁打10/打点33/盗塁13/OPS.723
└ wRC+105/fWAR1.7/rWAR1.8/wOBA.320

マリナーズ時代はショート、近年は主にセカンドとして出場している。キャリアで3度の3割を記録するなど、センター返し中心の堅実な打撃が魅力。アグレッシブな走塁も見せるが、脚力はやや衰え傾向にある。

■その他の出場国

エドウィン・ディアス(プエルトリコ)

'22投球成績
└ 61試合/3勝1敗32S/防1.31/62.0回/118奪三振/WHIP0.84
└ FIP0.90/K%50.2/BABIP.330/ERA+297/fWAR3.0/rWAR3.2

メッツの絶対的守護神。セーブ王を獲得したマリナーズ時代よりも、安定感に磨きがかかっている。平均99.1mphのフォーシームと、鋭いスライダーの2球種のみで打者を圧倒。ドミニカ共和国、ベネズエラとの決戦を制するためには欠かせない存在。

ケンドール・グレイブマン(アメリカ)

'22投球成績
└ 65試合/3勝4敗6S/防3.18/65.0回/66奪三振/WHIP1.40
└ FIP3.42/K%23.2/BABIP.324/ERA+125/fWAR0.7/rWAR1.0

2021年、好調のシーズン途中で同地区アストロズへと放出され、ファンを絶望させた元クローザー。移籍後も、堅実にブルペンを支える投球を続けている。投球全体の43%がシンカー。フォーシームは11.9%ほど。

6年ぶりのWBC。開催時期など未だに解決しない課題も多く、辞退する選手も後を絶たないのが現状だが、それでも国の威信を懸けた真剣勝負には心躍らされる。世間は大谷翔平、侍ジャパンの報道が大半を占めることになるとは思うが、ひっそりとマリナーズの面々が躍動する姿に期待したい。

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