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WBC出場のマリナーズ戦士たち(前編)

日本時間10日、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の最終ロースターが発表された。主要メディアでもこぞって報じられており、各国の豪華絢爛なメンバーを同じ切り口で紹介する必要もないだろう。

ここでは、我らがシアトル・マリナーズの選手たちにフォーカスしてみたい。飛躍の1年を支えた、馴染みの面々が勢ぞろいした。

■優勝候補、ドミニカ共和国から3人が選出

フリオ・ロドリゲス(ドミニカ共和国)

'22打撃成績
└ 打率.284/本塁打28/打点75/盗塁25/OPS.854
└ wRC+146/fWAR5.3/rWAR6.2/wOBA.366

まずはマリナーズの至宝、昨季ア・リーグ新人王のフリオ・ロドリゲス。シーズン前からトッププロスペクトとして注目されたが、オールスターのホームランダービーで準優勝を果たし、一気に全国区へ。リーダーシップがあり、陽気で逆境にも強い。スーパースターになる素質しか持ち合わせていない男だ。

テオスカー・ヘルナンデス(ドミニカ共和国)

'22打撃成績
└ 打率.267/本塁打25/打点77/OPS.807
└ wRC+129/fWAR2.4/rWAR2.8/wOBA.348

2人目は、今季からの新戦力テオスカー・ヘルナンデス。昨季のワイルドカード決定戦で、力任せに投げたロビー・レイが2打席連続弾を食らったスラッガー。2020年の短縮シーズンでは50試合で16本塁打と、短期決戦で波に乗ったら止められない爆発力が魅力。

ディエゴ・カスティーヨ(ドミニカ共和国)

'22投球成績
└ 59試合/7勝3敗7S/防3.64/54.1回/53奪三振/WHIP1.14
└ FIP3.68/K%23.9/BABIP.250/ERA+102/fWAR0.3/rWAR0.0

「あまり頼りにならないほう」のカスティーヨ。「頼りになるほう」のルイス・カスティーヨは出場辞退で参加ならず。球は速くないため、クセ球で打ち取るタイプ。スライダーが引っかかって左打者の膝元目がけて飛んでいくと、ファンは鼓動の高鳴りが抑えられない。劇場型。

■その他の出場国

エウヘニオ・スアレス(ベネズエラ)

'22打撃成績
└ 打率.236/本塁打31/打点87/OPS.807
└ wRC+131/fWAR4.1/rWAR3.9/wOBA.344

ダークホースのベネズエラからは、エウヘニオ・スアレス。打者天国のグレート・アメリカン・ボールパークから移籍してきても、その長打力が失われなかった稀有なサンプル。Tモバイルパークでポンコツと化した、同僚ジェシー・ウィンカーとは対称的。シーズン終盤では指を骨折しながらも強行出場して、本塁打を量産。ムードメーカーでもあるタフガイだ。

マット・ブラッシュ(カナダ)

'22投球成績
└ 39試合/4勝4敗/防4.44/50.2回/62奪三振/WHIP1.56
└ FIP3.51/K%27.9/BABIP.352/ERA+84/fWAR0.6/rWAR0.1

昨季MLBデビューした、期待の若手投手。先発ではふるわず、シーズン途中でリリーフに配置転換されると実力を発揮。平均96.9mphのフォーシームと被打率.175のスライダー、回転数MLB上位5%に入るカーブを軸に強気な投球で打ち取る。

マット・フェスタ(イタリア)

'22投球成績
└ 53試合/2勝0敗2S/防4.17/50.2回/64奪三振/WHIP1.13
└ FIP4.26/K%29.2/BABIP.264/ERA+89/fWAR-0.1/rWAR0.0

マリナーズの強力ブルペン陣をそれなりに支えた右腕。全投球の56.5%がスライダー、43.3%がフォーシームとほぼ2球種。夏場には安定した投球を見せていたが、オールスター以降は数字を落とした。劇場型だが、何だかんだで抑えるので黒星がない。

そのほか、マイナーからはハリー・フォードら4選手が選出。パナマやニカラグアが予選を勝ち上がることは難しく、日本から試合を観る機会はないだろう。

開催国アメリカが、ぬるま湯のような予選を戦う一方で、ドミニカ共和国はベネズエラ、プエルトリコと同じ「死のグループ」を勝ち抜かないといけない。厳しい試合が続くが、どうか怪我なく乗り切ってほしい。




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