見出し画像

球団史上初のワールドチャンピオンへ、マリナーズ躍進の大黒柱フリオ・ロドリゲス


”主砲”カル・ローリーが劇的なサヨナラ本塁打を放ち、21年ぶりのポストシーズン進出を決めた、我らがシアトル・マリナーズ。イチローのMLB移籍をきっかけに応援を始めた諸氏は数知れず。よもや、2001年の116勝を最後に、気が遠くなるような暗黒時代を過ごすとは思いもよらなかっただろう。

フェリックス・ヘルナンデスが去り、イチローとカイル・シーガーが引退。生え抜きスターも、殿堂入りのレジェンドさえも叶えられなかった夢。2022年、ようやく世界一へのスタートラインに立つことができたのだ。

■ワールドチャンピオンへの布石

躍進の原動力となったのは、兎にも角にもルーキーのフリオ・ロドリゲス。スプリングトレーニングからイチローがキャッチボールのパートナーを務め、メジャーリーガーのイロハを叩き込んだ愛弟子だ。マリナーズでは2020年カイル・ルイス以来、5人目のア・リーグ新人王に選出。投票者30名のうち29名が1位票と文句なしの受賞だった。リーダーシップがあり、性格も陽気で逆境に強い。今季から間違いなくMVP争いに加わってくるだろう。

フリオ・ロドリゲス'22打撃成績
└ 打率.284/本塁打28/打点75/盗塁25/OPS.854
└ wRC+146/fWAR5.3/rWAR6.2/wOBA.366

俊足を活かした内野安打も多い。打球が速く野手の間を抜けることも。

Baseball Savantによると、昨季フリオは打球速度、バレル%、ハードヒット%でMLBの上位10%以内に入っている。シーズン序盤は中距離ヒッターという印象だったが、オールスターのホームラン競争で特大弾を連発する姿を見て、長距離砲としてのポテンシャルを十分に秘めていると確信できた。

加えてMLB上位2%に入る俊足、強肩、さらにはOAA+9と、センターの守備力にも定評がある。非の打ち所がない、生え抜きスーパースターだとお分かりいただけるだろう。21歳のルーキーを最長18年にも及ぶ超大型契約で囲い込んだ、マリナーズのVIP待遇にも納得がいく。球団初の世界一を掴むためには、欠かせないピースなのだ。

世間はロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平にご執心だが、知ったことではない。今季のア・リーグ西地区はマリナーズが制す。ジェイコブ・デグロムが加入したテキサス・レンジャーズでも、ゴミ箱を叩くのを辞めても強かった王者ヒューストン・アストロズでもない。

もはやマリナーズファンは自分を含め、日本に8人ほどしか残っていないと聞く。そんなモノ好きが、徒然なるままにMLBについてあれこれ書き残していこうと思う。これからも、日々の戯言にお付き合い下されば幸いだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?