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「友だちのうちはどこ?」を観て。

原題: خانه دوست کجاست ؟
英題:Where is Friend's Home?
邦題:友達のうちはどこ?

監督:アッバス・キアロスタミ(1987)

あらすじ: イラン北部にあるコケール村の小学校。モハマッドは宿題をノートではなく紙に書いてきたため先生からきつく叱られ、「今度同じことをしたら退学だ」と告げられる。しかし隣の席に座る親友アハマッドが、間違ってモハマッドのノートを自宅に持ち帰ってしまう。ノートを返すため、遠い隣村に住む彼の家を探し回る。

感想:もっと彼ら彼女らに耳を傾けたい。

どれだけ言っても、大人達はひたすら型通りのことをさせようとする。なんでだろう。なぜ耳を傾けないのだろう。

そんな中でも、不安な表情のままひたすら家を探すアハマッド。友達想いで、家のこともちゃんとして、真面目で、そんな信用ある彼なのに、耳を傾けることはなかった大人たち。

と、いうか。ワタシ含め大人って、ある程度生きてるからこうなったらこうする、という道筋ができてしまってる。危険も回避してしまう。だから、子供の突拍子のないことを恐れて、型通りのことをさせてしまう。未来ある彼ら彼女らには、もっといろんなことをこの年齢から経験させとかないと。吸収が早いうちに。

最後のお爺さんとのやりとりよかったなあ。結果はどうあれ、初めて耳を傾けてくれた人。あの人は、どうやって生きてきたのかな。どんな志で過ごしてきたのかな。どんな経験をしてきたのかな。

年齢を重ねただけの、何も経験してない見た目は大人の子供が現代は溢れてると思う。情報がすぐ手に入るから知った気になってるから。

周りの人の声に耳を傾ける、街の音に耳を傾ける、それだけでかなり人間変われると思う。

ラストよかったなあ…。アハマッド、2人分宿題頑張ったから遅刻したのかな。それでも必死でやってきたんだろう。服も同じで袖口が汚れてて。そんなことを周りの大人達は露知らず。でも、友達の間にはきっとあの花を見るたびに感じる何かがあると思う。

同監督の「トラベラー」でもそうだったけど、終わり方の余韻の持たせ方が本当に素晴らしい。ニコッと微笑ませてくれる。

情報だけではなく、もっと本質を知るために、耳を傾けよう。




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