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「ブレックファスト・クラブ」を観て。

原題:The Breakfast Club
邦題:ブレックファスト・クラブ

監督:ジョン・ヒューズ(1985)

あらすじ: 土曜の休日に学校に登校させられた高校生5人。さまざまな問題を起こした罰として自分についての作文を書かされる。何から書いていいのかわからないまま時間だけが過ぎて行く中、雑談からお互いの身の上話を交わし始めた彼等は次第に心を開かせて行く。(引用)

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感想:いくつになっても。

学生のとき、スクールカーストや周りの友達、勉強、親、容姿、さまざまなことが気になって考えたもやもやと過ごしていた。そんな記憶がゆっくりと思い出した。

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過度な期待をする親が辛くて、いっそ怪我してしまえたらと思うアンドリュー。ワタシもスポーツをしていたので、気持ちがわかる。成績がよかったわけではないので期待はなかったと思うが、やはり親が色々も協力してくれているのだから頑張らなくてはとワタシは勝手に思い込んでいたが。でも、怪我してしまえば何もできないのだからこの感情もなくなるだろうと思い、すぐに治るが練習を2,3日休めるだけでも、束の間の開放感。とても嬉しかった。

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勉強を親に過度に期待されているブライアン。これも同じく、ワタシは勝手に親にいい成績を提示させなくてはと思い込んでいた。ワタシはできなくてはいけないと。ブライアンは成績のことももちろんだが、友人関係にも悩んでいたんだと感じた時に、すごくリアルに感じた。カーストでは下の方だと無意識か意識がわからないが自覚をしており、5人で話してるときの「月曜日に話しかけてくれる?」という話題でポロポロと涙を流す姿は切なかった。好きで、このカーストにいるわけではない。

そもそも、スクールカーストなんて、どうしてできてさまうのだろう。高校時代のワタシは下にはなりたくない(つまりこの時点で無意識的に見下している)と思い、上になる度量でもないと自覚し、中間で上にはヘラヘラと笑い過ごし、下には偽善者のようにニコニコと笑いかけ、ぎりぎりな感覚で過ごしていたと思う。

でも、高校で出会えた友人達とは今でも繋がっているので、結果オーライなのかも。何してたんだろなあとは思うけど、やり直したいとか後悔してるとか、そんなのはない。

勉強は、親とか関係なく、自分のためにもっと頑張ればよかったとは思う。

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ジョンの、もはや親の存在すら危ういということは、想像の世界でしか寄り添えない。でも、当時のワタシの身近にもいたのかなあとも思うし、今現在でもこんな環境の少年少女はいるのだと思う。

親の愛を知らないから、偽りの愛をとっかえひっかえで体だけで知っていくのは、なんとも悲しい(浅野いにお著「海辺の女の子」の磯辺くんを思い出した)。

だからこそ、ジョンは学年変わった時とか卒業後でもいいから、クレアとまた何かしら繋がって欲しいと思った。

きっと一生、あのピアス大事にするんだろうなあ。

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クレアの、私は優等生、私は人気者、というセリフ。自己暗示のためなのかなあと。自分を保つために必死なんだと思う。5人で話してるときの「友達の目」の話がとてもわかる。仲良くしてる友達だとしても、どこか疑心暗鬼なときあるよね。もしかしたら裏で何か言われてるかもとか、さっきの発言は変に捉えられたのかもとか。でも1人でいる勇気はないよね。すごく気持ちがわかる。誰かと一緒にいないといけない、一人でいるのはカーストの下になるとか、変な強迫性観念に囚われている。不思議なことに、多くの人が。

今思うと、好きな人と好きなように過ごせばいいのにね。でもできないから辛いんだよね。

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親に無視されるアリソン。見て欲しいという承認欲求の塊。だから不思議な行動を取っている。

目の前にいるのに、存在しないかのように扱わられる「無視」って、される側は思ってる以上に苦しいんだよね。

メイクをすることでクレアとの距離が近くなり、存在してるんだと承認してくれて、まず外見から変われたアリソン。アンドリューとブライアンに褒められて認められて二段階目の存在を確認できて心が少しやわらかくなったアリソン。そして、一時的かもしれないがアンドリューと恋に落ち(かけ?)て、内面も変わっていくアリソン。

自分の存在価値を認めてくれるのは親だけではないことを知って欲しい。外の世界でも認めてくれるの人はいると信じて欲しい。そして、アンドリューともクレアとも、繋がっていて欲しい。

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そして、先生と校務員との会話は、大人が見れば誰もがぐっとくると思う。そう、変わったのは自分なんです。

最近の流行はわからないと思っていた数年前の自分。世間も変わるのは当たり前だが、それを知ろうとしない体勢にいつからか変わってしまった自分。

成長もしたいけど、自分の本質は変わらないでいたい。いくつになっても。

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名作。これはどの世代の人にも見て欲しい。いくつになっても悩みは尽きないし、変わっていくし、でも普遍的で不変的なものもあるし。縁あって出会えます人のおかげで変われることもあるし。だからこそ、人との出会いは大事にしたい。数少ない友人を大切にしたいとも思える。

5人は、次の月曜日。きっと話しかけないと思う。でも、こうして図書館で一緒になったという縁があるから、きっと何かしらで今後も繋がっていくと思うし、そう信じたい。

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いくつになっても、人とは出会えるし、変われるし、縁ある人たちを大切にしようと思う気持ちは変わらない。

とても大事な映画になりました。

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