エピソード7:ハイム家での生活
英語学校からバスに乗った。お客は久美子だけだった。運転手が話しかけてきた。内心ドキドキした。運転手はハイム家の門から20メートル離れたバス停に近づくと「どこで降りるんだい」と聞いてきた。久美子はハイム家の門の前を指さした。運転手はバス停を通り越して、門の前でバスを止めた。バスをおりた。運転手に向かって「サンキュー」というと運転手は微笑んで、手を振ってドアを閉め走り出した。親切な運転手だなと久美子は思った。
門からゆるい坂道が丘の上まで続いている。坂を数分ぐらい登っていくと左側に池が見える。その池を後ろにして、さらに歩くと緑の葉をつけたりんごの木が50本ぐらいは左側にあった。まだりんごの実は見えなかったが、夏になるとたくさんの赤いりんごがなるとまきさんが言っていたことを思い出した。また数分歩くと小高い丘の上の左側に茶色のレンガ作りのハイム家が建っていた。門からこのハイム家まで約10分歩いて、たどり着くとちょっと息切れがした。英語学校が始まったら、毎日この坂を上り降りするんだなと思った。
ハイム家の広い敷地には今歩いてきた道沿いにあった小さめの池と、さらに家の裏に大きな池があった。ハイム氏はこの二つの池を所有していた。
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