好きとか嫌いじゃなくて選ぶか選ばないか。
旦那さんと結婚しようかと考えたのは、最初のデートの時だった。
結婚して3年と半年がすぎた。半年の間に2回流産した今、これからどうしようと考える今、旦那さんのことを考える。結婚を意識したというか、具体的に考えたのは、最初のデートだった。
旦那さんとの出会いは、人からの紹介だった。
知人からメッセージで、自分の幼馴染が結婚を望んでいるから誰か紹介してくれないか、と言われまずは自分が逢ってみた。友人を紹介したりするにも、結婚を前提にするのであれば、自分が確かめなくては説得力がないだろうと単純に思った。そんなに私の友人は多くないし、変な紹介はできない。
そんな気持ちだったから、自分が対象になるとはそれほど考えてなかったが、最初から話があった。お互いにそれほど、人好きのするタイプではなったと思うが、気があったと思う。
紹介者つてに、気に入られた、と聞いたときはまた会えると正直にうれしかった。
本人からも好意的なメッセージをもらって浮かれたような、当然の流れのような不思議な気分だった。
はじめてのデートは、2週間後だった、気がする。
お互いの休みが合ったはじめての日だった。
今思えば、旦那さんが少しだけ背伸びしたレストランの個室を予約してくれた。その後、このレストランは、私の両親と初対面の時にも使った思い出の店でもある。
旦那さんは最初にあった日よりも、めちゃくちゃ緊張していた。そのせいで私も緊張してしまった。手汗がすごかった気がする。
創作フレンチ的なランチのフルコース。
10人くらいが入れる部屋に2人だけ。ゆっくりと食事が前菜から運ばれてくるけれど、緊張から口数はそれほど多くなく、どんどんと食べてしまう。のちに口数云々ではなく、私たち夫婦はどこに行ってもどんどん食べて店を出てしまうので、どんどん食べるのは別に緊張だけではなかっただけれど。
デザートが運ばれて、コーヒーを飲みながらようやく落ち着いてきて話をした。どんな話をしたかはもう覚えてないけれど、この先どこへ行くかというのが決まらなかった。
お互いにデートでどこに行けばいいのか、全く見当がつかなかったので、食事の後もそこで1時間以上過ごしてしまった。冷静になるとだいぶお店に迷惑をかけてしまったが、初デートでそこまで気が回らなかったのだから、許してもらえたらと思う。
デザートを食べ終わってから、結婚を前提に付き合ってほしいと言われた。出逢って2回でそんなこと言っていいのかといったことを言った気がする。
失礼かもしれないけれど、と前置きをされて、自分は結婚をしたい。誰でもいいわけじゃない。その誰かの候補だと思っている。遊びではない。そして、30代半ばにさしかかっているので、子供を欲しいと思っているから時間はそれほど多くないから、長く付き合うだけというのも考えてない。1年一緒にいて結婚をイメージできなかったら、もう連絡を取らないと思う。
そういった内容のことを言われたと思う。少なくとも私はそう理解して、即答はしない、けれど真剣に考えるといったことを話したと思う。
正直、緊張していて料理がおいしかったということくらいしか覚えてないけれど、そこから結婚というのが自分の中で、人生の選択肢として明確に表れた瞬間だった。
だから、私は旦那さんを好きになるとかそうじゃないよりも先に、感覚としては選ぶか選ばないかという感覚だった。
そしてそれは今でも続いている。
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