2021/1/7(木)「一人鍋と結露」

一人、大阪の家で鍋をしています。

大阪に寒いイメージなんてありませんが、この時期になるとどこだって寒い。天気予報を見ると、沖縄と小笠原群島以外はなかなか残忍な数値です。
こういう時は暖かくしたおうちで鍋。家の近くのスーパーに行くのでさえ耐え難い。ちょっと前から手袋は必須アイテムに昇格させました。

野菜を切り終えると、もう寒い思いも冷たい思いもしなくてすむ。嬉しくてすぐチューハイが空きました。

肉だんごを啄みながら、なんとなくカーテンを開けると、いつも見える街の灯りがもやがかって見える。初めて目が悪くなった時に見上げた月のような。
それもそのはず、窓には結露がついていました。

暖房の効いた部屋で鍋をしてるから当然のこと。だけど、なんだかこの家で結露を見るのは初めてな気がして、妙に感慨深い。久々に窓の結露なんかちゃんと気に掛けたように思います。

私は小学生の頃、冬の朝は窓の結露をとるのを日課にしていたのを思い出しました。
窓一面についた水滴を、タオルや雑巾で拭くのではなく、専用の結露取りワイパーで回収。ただの水滴も、貯まるとコップ一杯くらいの量に。やってる間はずっと不思議でした。
また、窓に文字や絵を書いたりもしました。ひとしきり書いた後の人指し指、汚かったろうなあ。

結露取りに限らず、冬は人間が生活するのに一工夫必要になる。北国の雪かきなんかをテレビで見るたびに、生活するって大変なんだなと思います。私なんか大阪を歩いてるだけで凍えそうなのに。それでも人は北国で生活する。

鹿児島にいた頃は、多分今よりずっと冬も暖かかったんだろうなあ。雪なんかめったに降らないし。
でも、そういう意味では南国の鹿児島だって生活に大変な要素はあった。そう、桜島の火山灰。

掃除洗濯の邪魔者にしてコンタクトレンズの天敵。たまにすごい日は道端の車がグレーに上書きされてたり。窓ガラスもボンネットも一面グレー。
でも窓の結露の要領で落書きしたらいけないらしい。火山灰の粒子は尖ってて、灰が落ちても落書きが傷として残っちゃうから。でも子供なんか絶対やるでしょ。
だから鹿児島の生活だって楽とはいかない。それでも人は南国で生活する。というか私のどうきゅうせいなんかは全国から鹿児島に集まったのでした。

懐古しながら、鍋のお供は貰い物の芋焼酎。最高や。結局魂の一部分は鹿児島に置いてきたのかもしれません。

白菜がくたくたになってきたのでこの辺で。

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