ハナムグリの功罪~バラ周りの虫のお話【庭活】
前回、この季節に悩ましいバラ周りの虫3選をお届けしました。
今回は、そこでペンディングにしていた「ハナムグリ」についてのお話しです。
小型甲虫類の代表格:コガネムシ
バラに限らず、野菜や草花を育てるすべての方がお困りであろう「コガネムシ」。ペカペカと微妙なメタリック感の成虫のみならず、なんちゃってカブトムシ風の幼虫もかなり「やらかして」くれます。私の母が「コガネムシ~は金持ちだ~♪」と歌っていましたが、あれは何の歌だったのでしょう。
その昔、親が家庭菜園でトウモロコシを育てていた頃、コガネムシ軍団に目をつけられてしまいましてね。食害がひどく、私と弟は親から「毎日捕獲」指令を受け、黙々と遂行しましたが、大敗を喫した苦い経験があります。これは大丈夫そうだと採ってきた実も、外皮をむくと中から白い幼虫が出てきたり、とそれなりのトラウマ体験もあり。ゆえに私は、その頃から「混ぜるな危険:植物×コガネムシ」と認識しています。
※注:実に入っていた白い幼虫は、コガネムシではなくアワノメイガだと思われます。当時は親も私も知識がなく。
うちのバラに関しては、小型の「マメコガネ」に悩まされています。文字通り1cm程度の小さなコガネムシですが、成虫が咲いたバラに寄ってきて、花を食べてしまいます。幼虫は植物の「根」を食べるため、取りつかれた植物はバラに限らず衰弱し、処置が遅れると最悪の場合、枯れてしまいます。
似て非なりハナムグリ
このマメコガネによく似ているのが「ハナムグリ」。大きさはほぼ同じで、同じように咲いたバラの花の中でモゴモゴしています。
憎っくきコガネムシ!と鬼の形相で即捕獲してしまいがちですが、ハナムグリは実は植物に害を及ぼす存在ではないようです。
ちなみに、コガネムシに似ている存在として「カナブン」もいます。
植物に悪さをするのはコガネムシで、ハナムグリとカナブンはどうやら冤罪のよう。
上記サイトの画像をお借りして、見分け方を述べますと、
頭部と羽根の付け根の形が丸いのがコガネムシ、
二等辺三角形がカナブン、ハナムグリ
とのことです。
ハナムグリは、体に小さな白の斑点があるのでそれで見分ける方が早いですけどね。
ハナムグリがバラのお花でモゴモゴしていたら、慌てて撃退せずに優しく見守ってあげましょう。
それでも気になるハナムグリの影響
ひとまずハナムグリは無罪判決となりましたが、本当にバラに影響はないのか?を考えます。
この春、ビブラマリエ!のつぼみにハナムグリがアタックする姿が散見されました。ビブラマリエ!は白くてフルーツ系の強香のバラです。咲き方は、私が見る限り「カップ咲きと高芯咲きの中間」(うちの庭調べ)で、花粉のある”しべ”は、満開を過ぎてよほど開き切った状態にならないと見えません。花粉大好きハナムグリさんが、どれだけアタックしたころで咲きかけのビブラマリエ!ではお食事にありつけません。
「あちらの満開のピースに”しべ”と”花粉”のフルコースをご用意しております」と私がいくら進言したところで、ハナムグリさん達には伝わりません。
ビブラマリエ!に執着しているハナムグリを見つけ次第、テデトールで対応しました。
そして開花後。
アザミウマ被害者の会を見ながら思ったのです。
「果たして、これはアザミウマだけの影響か?」と。
確かにアザミウマはついていましたが、薬剤散布の効果もあってか例年よりも少ない気がしています。その割に、この荒れようです。
変色の範囲・箇所が多すぎやしないか?
あまりにも傷が多いんじゃないか?
つぼみの段階で、ハナムグリが何とか中に潜ろうとアタックした際に、花びらに外傷が入ったのではなかろうか?
花が開くことで、その古傷が拡散して見えているのではなかろうか?
このmay suspicionにより、ハナムグリの判決はペンディング、とします。
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