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映画「怪物」感想では無くて推測による創作3

映画をただ、観たまんま楽しみたい普通の人達にとっては「わけがわからない映画」だったと思います。「マジカル・ガール」よりもはっきり言って観る人達に謎の部分を残したまま映画は唐突に終わった。
書いても仕方が無いし多分そんな事は脚本家にとっては余計な事だろう。

物語を考えてみた。


 ホリ(保利道敏)の毎日。ふたりがいなくなってから…


あの日は本当に疲れたなあ。

だけど良かった。あの星川君の作文を麦野君のお母さんに見せて

麦野君に今までどう思っていたのか、どう言ったのか
それと僕が間違えていたって事を伝えたら

「私のほうこそ…よく分かっていなかったのかな。ごめんなさい」
と言ってくれた。

次の日にふたりして星川君の家に行ったら星川君のお父さんがびっくりしていた。

そしてお父さんにも星川君の作文を見せたら
「やっぱりな。あいつら!」
と言って作文をいきなりひったくってビリビリにしたのは参ったな。

「あの後にすぐに引っ越しておけば良かったよ!
ああ、こっちにも警察からは連絡はありましたよ。ご迷惑をおかけしました。あの子のせいなんです」

「と頭を下げたけど作文を破くなんておかしくない?
やっぱりって?何なんだよ。星川君のせいって何なんだよ」

ホリは麦野ミナトと星川ヨリの事を憎んではいない。
だけど、相変わらず「豚の脳」と近所の連中に言われるので腹ただしい気持ちになっていた。

ふたりの事は気がかりなので麦野の母親が駅前に立って情報提供を呼びかけている時に一緒に手伝う事にしている。

しかし、一緒にチラシを配ると新聞や雑誌で知っている人間 学校の関係者は冷たい目で見る。

こっちを見てヒソヒソ話をしている連中もいる。

「いつも有難う御座います」
と、麦野君のお母さんは笑顔で言うけど
星川君のお父さんは全然協力的じゃないし
たまに家に行っても不在だ。

そして校長。たまに街頭の呼びかけの時に様子を見に来るけど
僕に対してどう思っているんだ。
何考えてるのかさっぱりわからない。
それどころかあの件はどうなってるんだ。

ホリは恋人にラインを入れようとしたが、とっくにブロックをされていた。
「仕事が忙しい…のかな…」

星川ヨリ、麦野ミナトの事は心配で
心配さが麦野のお母さんには伝わった。
ついでに校長の事も言った。
そうしたら
「私もねあの人の事、人間じゃ無いのかなと思った。なにかおかしいですから…」
と言って考えているようだった。

麦野達の事を探す以外はハローワークに行く毎日だが、どちらも良い報せは無い。

「失業手当が出ている間はまだ食べていかれるけれどどうしよう」

「引っ越しも考えていたけど星川君と麦野君が気になるからなあ。ちゃんと眼の前で謝らないと。ふたりは仲が良かったのに」

そして以前、ホリは
自分の事を酷く書いて載せた雑誌に抗議の手紙を出したのだがナシのつぶてだった。
「訂正も無しっておかしくないか」

「そうだ!」
ホリは「◯春オンライン」に考えている事を書きこんだ。

『始めまして、僕は◯◯小学校の元教師でした。
今は失業の身です。
現在、失踪した生徒を探しております。
この生徒達の捜索の手伝いをしてくれませんか?

それと、うちの学校の校長の事を書きます。
校長は実は孫を車で轢いたそうです。同僚から聞きました。それなのに夫に罪を着せたそうです。
サツジン者です。
僕にも、同じような事をさせました。
「事実なんかどうでも良いんだよ」と言いました。
酷い校長なのです。
犯罪者なのに校長なのですよ。

僕は生徒達が心配です』

そう、書くと送信した。


©映画「怪物」より

この写真は校長の組織的な姿を見て、ショックを受けているホリの場面です。


追記:こんなにひとりごとを言うとは思っていませんが
ホリはこういう人間だと思いました。

ホリは、普通の教師よりいじめに対して頑張っていたのですが
何しろ人の気持ちをよくわからない。

ホリの正義心もまた、人を傷つける。
それを入れました。




✳ふたりが居なくなった後をずっと考えていました。
是枝裕和監督さん坂元裕二さん余計な事をしてすみません。




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