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【3月20日~26日】本能は体温まで制御する
「大丈夫。あなたはよくやっている」のオレンジが出ています。ほかの星座と比べても、蟹座はかなり強い、「生きていくための戦闘仮面」をつけていることが多いです。
久々に派手めの風邪を引いた。
中1女子から貰ったのだが、若さゆえか彼女の回復は早かったし、症状も軽めだった。なぜ私だけこんな呼吸困難になるのか。
気道にも肺にも痰が絡むようで、とにかく呼吸に苦しんだ。今こそパルスオキシメーターが欲しい、この感覚で何パーセントなんだろう、と思った。
処方薬が劇的に効いたので、お薬の偉大さ、医学の進歩に感謝した。これをひとつ作り出すのにああでこうでと言いたくなるけれど割愛する。
この風邪と「戦闘仮面」という言葉で、昨年新型コロナに罹患した時の「生きていくための戦闘仮面」が我ながらすごかったことを思い出した。
ライター仲間は大袈裟でなくドン引きしていた。
私は発熱を操ったのだ。なにを言っているのかわからないのだけど、本当にそうだった。
その時もこれまた中1女子から頂戴したのだけど、「喉になんかおる」という違和感を覚えてさほど間を置かず、爆発的に発熱した。
前日、症状フルコースでぐったりしていた中1女子をお風呂に入れたのだ。彼女には髪を洗う体力もなかったから、この瞬間を迎えることも覚悟のうえだった。というかどうせもう貰ってるだろうとも思っていた。
バトンを渡すと同時に中1女子はすっかり回復した。私は40℃超えの発熱からスタートしたので、大人しく横になった。
しかし、だ。当時私は長編を抱えていた。スケジュールは詰め込みすぎなうえ(自業自得)、もうどれも動かせない状況に(自業自得)、さすがに頭を抱えた(自業自得)。休めて1日。2日休むと崩壊しかねない。
詰んだ……
熱には比較的強いせいか、それとも追い詰められて神経が研ぎ澄まされていたせいか、40℃以上体温があってもめちゃくちゃ頭が回った。コロナハイとも言えたかもしれない。ひとまず担当さんには「コロナの波を受けてしまいました」と報告しておいた。
中1女子の罹患も知らせてあったから、「ああ、やっぱりな」という感じで受け止められたことだろうと思う。
そしてとにかくひと晩、全力で寝ることを心に決めた。毎回のことなのだけど、私の発熱はだいたいそれで終了する。
しんどいのが嫌すぎるから、初動に全力を注ぎ大フィーバーに寄り添う。たまのデトックスという感じで体も受け止めているのかもしれない。
ちなみに、私は眠い・しんどいには勝てない。「無理をしないで」と言ってもらえるけれど、そもそも無理ができないから開き直って閉店するのも早い。抗うだけ無駄と思っている。
世界に没入して感覚に頼って書くタイプだから、眠気や怠さがあると驚くほど使い物にならない文章しか書けないのだ。
しかし、翌日には立派に陽性反応が出てしまった。
発症からの3日間は、追い詰められると人間こうなるのか、と大変興味深い時間が流れた。追い詰められたと言っても、この体調不良に関して担当さんは理解してくれていたし、きっともう原稿が遅れることも考慮してリスケを第一選択肢としていただろう。
けれど、私は違った。遅らせてたまるかという思いが強かった。遅れた分のしわ寄せを食らうのは近い未来の自分だ。そんなしんどい目に遭いたくない。
その念が通じたのか2日目の朝にはケロッとしており、食欲はいつも以上、喉の違和感も去っていた。全力で寝たことで奴らを制圧できたのかもしれない。
買い出しに行けないため、近所に住む母に「無性に海鮮丼が食べたい。酢飯が私を呼んでいる」とリクエストして、それを平らげた。
そして午前はモリモリと原稿を進める。けれど、そこはやはり未知のウイルスであった。熱が上がったり下がったりを繰り返すというやつだ。強い。
お昼を過ぎたあたりで熱が上がり始め、だいたい16時頃まで全力で寝る。するとまたケロッとしている……というような感じで症状がサイクル化した。
コロナに邪魔されるのは日に3時間だけ。あれ、ペース落ちないな??? と思いながらの3日間。遅れることなく無事に長編を送ることができた。
危機感が発熱をコントロールした。
自分でもワケがわからなかったが、担当さんはもっとワケがわからなかっただろう。
『ライターがコロナ罹患したため配信を延期します』というお詫び文がポップアップに表示される夢まで見た。怖かった。
という話を担当さんにしたら、そんなことはしないと笑われた。それより、コロナで寝込んでるはずなのになぜどんどん原稿が送られてくるのかと震えていたとのことだった。ホラー体験だ。
そして、大丈夫だからゆっくり休んでくださいと優しい言葉をかけられた。私が勝手に追い詰められていただけなのだけれど、あのときほど強靭な戦闘仮面を装着したことはない。私の症状はその3日間だけで、かなり軽度なもので終わった。今となっては笑える思い出だ。
今週の風邪も、ちょっと焦るところがあった。春休みをつくって温泉に行く計画があるからだ。ちょっと走りすぎたから、温泉宿で無になる日を予定している。それがここ最近のモチベを下支えしてくれていた。
絶対にそのご褒美を逃すわけにはいかない。というので、どうにか間に合わせた。我ながらよくやったと思う。
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