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映画「Mr.Boo!天才とおバカ」は内容がブラックすぎるジャン

監督・許冠文(マイケル・ホイ)、主演・許冠文(マイケル・ホイ)、許冠傑(サミュエル・ホイ)の香港コメディ映画です。「Mr.Boo!シリーズ」では第2作目にあたりますが、精神病院とその入院患者をギャグとして取り入れているというなかなかブラックな映画であったため、日本では未公開のお蔵入りとなっていました。しかし、近年日本語字幕ソフトが発売されたため、数十年の時を経て日本のファンへお目見えすることとなりました。主演級はホイ3兄弟の中でマイケル・ホイとサミュエル・ホイの2人ですが、端役ながら許冠英(リッキー・ホイ)も出演しています。また、「燃えよドラゴン」のブルース・リーの師匠役や「サイクロンZ」や「検事Mr.ハー/俺が法律だ」の裁判長役として出演する香港の名俳優・喬宏(ロイ・チャオ)も今作のキーパーソン役として出演しています。

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「Mr.Boo!天才とおバカ」
原題:天才與白痴
英題:The Last Message
公開:1975年(香港)

あらすじ

精神病院で看護師として勤めるリー(許冠傑)は女好きで、雑用係のティム(許冠文)は死人から金目の物を盗むどうしようもない2人。
ある日、自分のことを鄭和だと自称する男(喬宏)が入院してくる。自称・鄭和は「姫」の話すと喜び、「婚約者」の話をすると怒り出す変わった男であった。
しばらくすると男はティムに「姫」に渡してくれとガラクタを預けるが、その中には全てそろっていれば大変な値段が付く陶磁器が紛れ込んでいた。二人は、男が金になる宝を隠し持っているのではなかと目を付け、なんとか聞き出そうとするが―。

主な出演

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ティム(マイケル・ホイ)
精神病院で掃除などをこなす雑用係。患者が死ぬと金目の物を盗む手癖の悪い従業員。鄭和だと自称する男から「姫」へとガラクタを預かるものの、その中に貴重な陶磁器があると知り、男から隠された宝のありかを聞き出そうとする。

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リー(サミュエル・ホイ)
ティムと同じ精神病院で看護師を務めている。助手らしき看護婦と不倫関係にあるなど女好き。ティムと二人で男から隠された宝のありかを聞き出そうと様々なことを行う。

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自称・鄭和の男(ロイ・チャオ)
ある日精神病院に入院してきた「鄭和」と自称する男。「姫」の話すと喜び、「婚約者」の話をすると怒り出す変わり者。過去に船乗りであったためか、ケーブルの繋がっていない電鍵で「姫」へモールス信号を送っている。

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姫(アイリーン・ハンフリーズ)
自称・鄭和の娘。ホテルでダイビングのインストラクターを務めている。

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ホテルのウエイター(リッキー・ホイ)
ホテルでウエイトレスをしている。なぜかローラースケートで配膳を行う。

これはさすがに放映できないジャマイカ

今回の舞台は精神病院。しかもそこに入院している患者をネタにするという、色々とうるさい今現在どころか70年代ですらアウトな内容であったため日本では劇場未公開となってしまったこの作品。他のMr.Boo作品と比べてギャグだとしても純粋に笑えるような作品ではなかったですね・・・。
また、舞台やギャグ以外にも色々と倫理観のタガが外れた作品でした。マイケル・ホイ演じるティムは死体から物を盗むわサミュエル・ホイ演じるリーは死体安置所で不倫するわでそういうのにうるさい人は開いた口が塞がらなくなりそう。

でもサミュエルの歌はいいだろう?二郎?三郎?なんつって

他のMr.Booシリーズと同じく今作も主題歌は歌神・サミュエル・ホイが担当しています。しかも今作はなんだか色使いやらが不気味なアニメ付きのOP。これはこれで味があるのですがイマイチ出てくる物の意図が不明・・・たぶん歌詞と関係してる?
ちなみにこの曲、およそ28年後にロナルド・チェンという歌手・俳優のカバーで「新世紀Mr.Boo! ホイさま カミさま ホトケさま(未視聴)」にも使用されているようです。

総評

製作された70年代当時ですら扱うものがデリケートでブラックなものだったせいか日本では未公開になってしまったこの作品。しかし考えてみると他のMr.Boo!作品と比べてャグも笑えるかと言えばそうでもない・・・って感じなので別に公開しなくて良かった映画かもしれませんね。Mr.Boo!シリーズが好きだし一応観とくか程度の気持ちで観賞くらいがちょうどいいと思います。
少々ネタバレになりますが、死んでしまったロイ・チャオ演じる鄭和の男がアイリーン・ハンフリーズ演じる姫にモールス信号で伝えれなかった思いを伝えるシーンはBGMと相まって良かったです。ラストのオチもなかなか衝撃的ですがこれまた刺激が強いというか・・・。
また、今作は日本語吹き替えはないので広川太一郎のMr.Boo!が観たいって方は残念ですが・・・。広川太一郎吹き替えだったらギャグ感が増えてもう少し面白かったかもしれませんね。