ホラー映画の皮をかぶったコメディ作品 映画「夜魔先生」
監督・劉觀偉(リッキー・ラウ)、主演・張堅庭(アルフレッド・チャン)・李賽鳳(ムーン・リー)の香港ホラーアクションコメディ映画です。監督はあの「霊幻道士」でも監督を務めたリッキー・ラウ、そして可愛い見た目をしてバリバリアクションをこなす私が大好きなムーン・リー。アルフレッド・チャンは・・・日本だと大福星のラストでエキストラで出演したくらい?日本では未公開・非日本語ソフト化作品であるため、80年代・90年代の香港映画ではマイナーな作品だと思います。
「夜魔先生」(日本未公開)
原題:夜魔先生
英題:The Nocturnal Demon
公開:1990年(香港)
あらすじ
ワワ(ムーン・リー)は、盲目の祖父(ラム・カウ)と従兄のティン(アルフレッド・チャン)と暮らすために本土の田舎から香港へ来ていた。
その時香港では、タクシードライバー(ウィング・チョウ)が客として乗せた女性の喉をカッターナイフで掻き切る事件が相次いで起こっており、犯人と瓜二つのティンと一緒にいたワワに疑いの目を向けられてしまう。
疑いの目を晴らすために2人とその祖父は、真犯人であるタクシードライバーの確保に奮闘する。
主な出演
ティン(張堅庭)
レッカー車のドライバーをしている青年でワワの従兄。顔がそっくりな連続殺人犯が起こした事件の現場に居合わせてしまったため、事件の被疑者となる。
ワワ(李賽鳳)
祖父たちと暮らすために中国本土から香港へ来た田舎娘。連続殺人犯そっくりの従兄と一緒にいたところ、同じく疑いの目を掛けられてしまう。
ワワの祖父(林蛟)
盲目であるが、ティンとワワの真犯人探しに協力する。
連続殺人犯(曹榮)
客とした乗せた女性の喉を掻き切って殺害するサイコタクシードライバー。巨乳好き。
女武打星・李賽鳳のファイトアクション
今作では可愛らしくて少し変わった?田舎娘役を演じるムーン・リーですが、女武打星(香港アクション系女優)に相応しいアクションを見せてくれます。
特に動画のローラーシューズを履いてのファイトアクションは、足が不安定にもかかわらずムーン・リー持ち前の綺麗な蹴りが決まりまくっています。
というかこの青い透けたビニールみたいな羽織り物は一体・・・。しかし、今作のムーン・リーも可愛いですね。
ちなみに相手はワワが偶々通った貴金属店で強盗を働いた元華(ユン・ワー)ですが、ボコボコに負けてしまいましたね・・・もうちょっとユン・ワーのファイトが観たかったような。
丁度いい参考動画がYoutubeに転がっていなかったので紹介はできませんが、連続殺人犯役のウィング・チョウとのラストファイトも必見です。
サイコホラー作品?いえ、コメディ映画です
サイコパスタクシードライバーが派手目な女性を殺害した挙句、凶器と死体に自分のおしっこを掛けるというなかなか狂ったシーンから映画が始まるため「これはサイコパスホラー殺人映画か・・・?」と構えてしまいますが、そんなことなかったです。確かに連続殺人犯の動きや表情を見ていると不気味な印象を受けたり、殺害した女性の物と思わしき舌をピラニア?にあげるシーンはヒエ・・・となりますが、コメディ要素の方が多く思わず笑っちゃうシーンが多かったです。
真犯人確保のためクラブで誘惑するムーン・リー。脚を見せてアピールするも椅子から転げ落ちたり、ウインクしたらつけまが張り付いて目が開かなくなった挙句、上着を脱ぐと肩パットの代わりにパン・・・?
総評
ホラーな感じとコメディ・アクションが混じったこの作品、「霊幻道士シリーズ」で監督を務めたリッキー・ラウの作品をヒシヒシと感じられる映画でした。また監督お気に入りなのか、樓南光(ビリー・ロウ)・陳友(アンソニー・チャン)・吳耀漢(リチャード・ン)・錢小豪(チン・シュウホウ)といった「霊幻道士シリーズ」で見たおなじみの面々が出演しているのも注目。
内容はハラハラさせつつも基本はコメディ調で進行していくので、最初のシーンで「これサイコホラー・・・?」と構えてしまいますが、全然構える必要はないのでリラックスして観ることができます。
ファイトアクションも流石ムーン・リー。紹介したローラーシューズを履いての強盗犯ユン・ワーとのファイト、ビリー・ロウ率いるギャング集団とのファイト、そしてウィング・チョウとのラストファイトでは思わず彼女の華麗なアクションに見入ってしまいます。
そして一番評価するべき点は・・・ムーン・リーの魅力!今作ではちょっと変わってる?本土の田舎娘の役ですが、おかっぱスタイルの可愛らしい容姿から繰り出される華麗なカンフーアクションはこれだけでもお腹いっぱいです。
日本未公開かつ日本語でソフト化もされてないこの作品。少し敷居が高いかもしれませんが、ムーン・リー好きの方には観てほしい一本でした。