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コロナ途中経過

僕は動画の制作会社を東京都でやっている。
僕がカメラマン出身だったこともありどちらかというと
撮影の案件が多かったりするのが特徴的だ。
僕自身も元々現場監督とかスポーツとかバリバリやっていた経験もあり
撮影の現場に出るほうが編集作業よりも好きだった。

コロナによる緊急事態宣言が出てからというもの
撮影案件は軒並み中止、もしくは延期になった。
編集のみという案件はほとんどなく、
単純に受注案件は全滅に近い状況になった。
自分の会社は社員二人に経理のアルバイト一人。
フリーランスを含めると総勢20名規模。
小さな事務所を千駄ヶ谷に借りている。
この規模でも毎月の固定費の支払いが重くのしかかる。

三月末の決算ということもあり税金等の支払いも重なる。
4月から新しい案件や取り組みがあったものも全てが消え去った。
悲観的に見ると会社としての機能ができなくなるほどの影響であった。
まじでやられる。そう思う。

ただ僕はわりかし真面目で前向きでMな要素がある。
今回のコロナの影響で色々得ることが現段階でもあると思い、
書き記しておいた方が良いと感じた。
ここは社会的にも時代的にもターニングポイントになることが
直感的にわかっている感じ。(誰もが思ってると思うが)

僕にとってのコロナによる前向きな成長とは?

まず言えることは今回のコロナショックで多くの経営者は
細かい部分まで資金繰りをせざるおえない状況になった。
いくつもの無駄や過剰をカットしてミニマムな形態にする経験を
望まなくともしなくてはならなくなった中小企業は多いと思う。

僕の会社に至ってもとても小さな会社で社員の数もとても少ないのに
関わらず、毎月の固定費と売り上げの支出と収入のバランスが曖昧で
なかなか数字が安定せず適当にしてしまっていたのが現状であった。
しかし今回のことでひとつひとつ細かい数字をチェックできた。
というかしなくてはならなくなった。


①コスト削減の守りの経営を肌感覚で学ぶ

一番単純化すると、資本主義に基づいた株式会社の目的は1つ。
それは利益を出すこと。
そして超単純化すると経営者ができる仕事は
1調達をする、2売上をつくる、3コストを削減する。

2が少なからず難しい今、
コストを削減するために当たり前のように現状把握をどれだけ日々できているか?
これが当たり前の平和な日々だとしっかりやっている経営者は
むしろ少数派なんじゃないかと思う。

今回僕がやったことは
1. 現金残を把握する…とにかく重要なのは、常に手持ちのキャッシュ総額
2. キャッシュフローベースでの入出金を把握する…簡単に言うと通帳の入金と出金をみよ、ということ。
3. (赤字なら)正確にいつ倒産するか把握する

この現状を把握しつつ、
今できる国からのコロナ対策を進めていくという流れ。
僕みたいなズボラ経営者はまずここから見直せる。
ある意味「経営」を感覚的にだけでなく数字で理解する。

②国からの対策に耳を傾ける

これも当たり前だけど、日々コロナ対策について耳を傾ける。
というかコロナだけでなく、これからの社会のあり方や
色々なビジネスの形態までアンテナを自然と張るようになっている。
今は皆、死活問題であるからそのような感度びんびん状態だが、
やはり仕事が安定的であるときにはその感度も下がっている人が多い。

普段と見るニュースの頻度、開くビジネス系のアプリ、さらには読書。
仕事とプライベートの境界線なんてあったもんじゃない。
だって生きるか死ぬかレベルになる可能性があるんだもの。
ただこの今の感覚を忘れることなく、
常に情報に敏感に、常に時代の変化を感じれる体制を作っておくことは
経営者にとって大切なスキルだ。

実際僕の会社が取ろうとしている政策は…(日々情報が更新されるので参考程度)
①中小企業200万円、個人事業主100万円の現金給付策
https://netshop.impress.co.jp/node/7484

②新型コロナで支払い猶予 税・スマホ・公共料金など
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57629070T00C20A4PPE000/

③コロナ対策の「現金給付」10万円
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200421/k10012397711000.html

④融資について
https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/covid_19_m.html

⑤雇用調整助成金ガイドブック
https://www.mhlw.go.jp/content/000611773.pdf

まずキャッシュがないことには会社の維持はできない。
うちは映像制作会社なので在庫などあるわけではないが、それでも
最低200万ほどの支払いが発生する。
・毎月の固定費の支払い(給料、家賃、その他)
・フリーランスへのギャラの支払い
・その他雑費や経費

そうなると会社の現状把握をして、あと2、3ヶ月も持たないという場合、
延長措置のできるものは早めに手続きをする。(税金や社会保障)
国からの政策が本決まりになってなくとも、後から申請することは可能だからだ。
そして後になればなるほど混雑したり、連絡がつきにくくなる。
コロナ感染の恐れもあるため。

さらには実質無利子無担保という融資制度も早めの対応。
キャッシュを手元に用意できる手段の一つ。
自分の場合は以前融資利用した日本政策金融公庫にて。

並行して休業にするか否かの選択肢を保つために、
雇用調整助成金の手続きの準備もしておく。
なぜか?固定費が抑えられる可能性があるんだもの。
会社の存続、従業員の手当をなるべく安定的に支払える体制。
さらに加えて失業保険についても調べるということも。
ぶっちゃけその選択肢も選べるように詳細等を調べている。
それほど今回のコロナの影響は大きい。
プラスで中小企業200万円現金給付策、個人給付10万についての手続き等を。

③今だからこそできることをする

これについては前回の記事にも書かせていただいたが、
そんな今だからこそ出来ること、やらなければならないことがある。
というかそういう考え方をしないとただただ国の政策を待つばかり。
僕の場合はベビーをメインとした動画編集コンテンツサービス
ベビムビ!」を4月にリリースした。
ママメディアのベビヨリ さんに記事にしてもらいました。
https://www.with-baby.net/2020/04/babymovie-interview.html

スクリーンショット 2020-04-21 15.43.23

今まで受注案件がある頃はなんだかんだで、そちらが中心になりがち。
なぜなら目に見えるクライアントさんと納期が常にある状態だったので、
隙間時間に自社事業を進めるという流れであったから。
ベビムビ!に関しても2018年くらいから進めてはいたけど、
結局しっかりサービスを開始できたのも緊急事態宣言が出されることになり
「今の世の中に届けたい」と強く思うことができたからである。
もちろん他の案件がほとんどないので、それしかやれることがない
というわけでもあるのだけれど。

そして今までは明確にクライアントや制作単価が見えていたものから
自社で製品を作り、自社でシステムを組み、自社でプロモーションをする
という今までの動画制作とは全然違った領域のこともしていて、
なかなか手ごたえや実感が掴みづらいところは正直ある。

しかし初めて僕らは自分たちの想いを乗せた商品を、
自分たちの届けたい相手に向けて、
全力投球で発信し始めることができたのだ。
成功しようが失敗しようがこういった新たなる一歩を踏み出すことができた
ことに対しての成長を実感することができる。

そしてまだまだ成長過程と楽しさが待っていることに気づかせてくれる。
こういった状況になっていなかったら、
もしかしたら自社サービスを展開する、なんてできていなかったかもしれない。
何よりスピーディーな取り組みはできなかったと思う。

④コロナ途中経過で思うことは?


結局どんな状況でも前を向いて一歩ずつでも踏み出せるものと
何かにすがったり、口だけ動かして何もしない人間とに
わかりやすく二分するのが非日常ってものなんだと思っている。
2011年3月11日以降からずっと感じてることだし、
そういう意味では今はチャンスだと思っている。
ピンチはチャンス。まさに。
なんたってこの経験ができればどれほどのパワーアップになるか。
いまだに何一つ好転してるわけではないし、
自社サービスが好調なわけでもないし、
会社は潰れそうだし、
あとどれくらい今の生活を維持できるかわからないけど、
僕自身は常にサバンナでサバイブする人生を選んでしまったわけだから、
何一つ悔いもなく、突っ走り続ける。

とりあえず今度は本当に行動とともに
上場企業を目指して新しいサービスの展開と発展に
命をかけ続けようと思っている。
今だからこそ守りだけではなく、
できることで攻めまくるのが人生楽しいってもんだ。


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