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刑事裁判で読んだ意見陳述を公開します

2020年某日、「被害者参加制度」というものを利用して、刑事裁判に参加してきました。夫が事故に遭うまでは、裁判なんて無縁の世界で生きてきた私。知らないことばかりで大変苦戦しました。

今回は交通事故の被害者家族が裁判に参加して、何ができたのか、どんな気持ちになったのかを率直にレポートしてみようと思います。

被害者参加制度ってどんなもの?

被害者参加制度とは、裁判所の決定により裁判に出席し、被告人(加害者)に対して質問をしたり、意見を述べることができるもの。

殺人や傷害、強制わいせつ、過失運転致死傷など、一定の犯罪の被害者やその親族が、裁判所の決定により裁判に出席し、被告人質問を行うなど、刑事裁判に直接参加することができます。

我が家の場合は、加害者が「危険運転致傷罪」という罪名で起訴されましたので、被害者家族として夫の父と私の2人で参加することができました。

ちなみに私が裁判に参加したところで加害者が受ける罪の重さは変わらないと言われています。それでも「被害者家族が目の前で罪を問う」ということは、加害者側にプレッシャーを与えるため、参加する意義があります。

もし今、参加するかどうか悩んでいる人がいたら、私は参加することをおすすめします。理由は、次で説明していきます。


犯人に対して直接「被告人質問」や「意見陳述」をすることができる

被害者参加制度を利用すると、被告人質問や意見陳述をすることが可能になります。

被告人質問では、犯人に直接「本当に反省しているのか?」というような質問ができます(質問内容は事前に検事さんにお伝えしておくことが必要です。本来は検事が尋問する場面なので、検事がひととおり尋問したあとに、被害者参加人もいくつか質問できます)。

ここでは夫の父が思いのたけをぶつけました。質問する場面なのに、夫がいかに大変な状況かというのを力説していました。熱くなりすぎて裁判長からストップされる場面もありましたが…。

私は被告人を目の前に、一方的に書面を読み上げる「意見陳述」をさせていただきました。私が読み上げた内容は下記です。

夫が受けた事故について
怪我の具合について
家族が受けた被害
犯人への心情
厳罰に処するべきかどうかの意見

これらの内容をA4用紙の裏表1枚分読み上げました。

弁護士からも「被害者の気持ちが伝わる良い意見陳述書になっている」と褒めていただきました。かなりの自信作です。

もし参考にしたいと思ってくださる人がいれば、全公開とはせず、有料にて限定公開させていただきますので参考にしていただけると幸いです。

犯人の顔を直接見る機会はここだけ

私が被害者参加制度をおすすめする理由は、犯人の顔を見れる数少ない機会の一つだからです。

我が家の場合、相手がひき逃げ犯なので、お見舞いなどにくることもなく逮捕され、そのまま起訴されました。犯人の顔なんて一生見たくないですが、ちゃんと罪に問われるか見届けたいという気持ちはありました。

結果、犯人は浅いながらも一応反省はしていました。心配していた執行猶予はつかず、裁判後刑務所に入ることになりました。

裁判では裁判長、検察官、相手弁護士が淡々と調書を読み上げているだけ

私が裁判に参加して感じたことは、裁判は裁判長、検察官、弁護士が用意された調書(原稿?)を読み上げているだけで、規定通りにセレモニーが行われているだけ、ということです。

この場所で「何かを明らかにしよう!」といった感じではなく、「あなたは、このような犯罪を犯し、この罪に問われています、間違いありませんか?」という表面的な感じです。当たり前ですが、ドラマとは全然違います。

もし「自分が受けた被害がどれほど大きいものだったか」を加害者側にしっかり伝えたい、「罪を犯した理由を問いたい」という人は絶対に参加するべきです。

ただし精神的に結構しんどくなるので、トラウマになっても良い、という人にだけにおすすめします。私はもともと鈍感な方ですが、それでも裁判の日のことは決して一生忘れることはありません。誰かが罪に問われている姿を見て、気分が良いものではないし、思い出して腹が立つ日もあります。

それでも私に出来ることはすべてやったので、後悔することは1つもありません。

刑事裁判に参加した事が気持ちを切り替える良いきっかけにもなった

夫が交通事故に遭って、犯人が捕まり、その刑事裁判に参加することで、被害者家族としても一つ気持ちを切り替えるためのきっかけになります。

もちろん、事故は許せるものではないし、終わった事でもありませんが、私達は今後の生活のことも考えなくてはいけません。

刑事裁判が終わったら、次はお金のこと。しっかり補償してもらわなければなりません。

私の書いた意見陳述書を公開します

ここからは私が作成した意見陳述書を公開します。私が意見陳述書を作成した時は、参考にできる事例が全くなかったので、事例として参考にしていただければと思います。

文字量はA4用紙1枚裏表分です。あくまで事例ですので、これがあれば上手に作れる指南書のようなものではありません。ご理解ください。

今回は限定公開とするために有料とさせていただきました。※無断転載・引用公開はお断りします。

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