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胸に残る寂しさが消えないのは、熱をいっとき失ったための錯覚で、ほんとうは満ちみちていた君との熱が、私ひとりでは持ち続けられないものだったことの証明で。同じ量を返してくれなくちゃ、私はこの不足から逃れられはしなくて、偽物の熱を探すためだけにまた海へと、流れ出る。そのうち溺れもがいて、君に捨てられゆくみじめな魔物。それが私の心に巣喰う、哀れないきもの。

    • 私の耳鳴りはシの音で鳴ってる

      • 無臭

        目を離した隙に灰になる、好みのはずの香の匂いとか、振り解けばしずんでいく浅い認識のナルシズム。虚勢をはるうちにじりじりとそれが実体をともなっていくからと、自信のない顔を隠すように産まれたあなたのその旋律とか。夢を見るより食べるほうが簡単らしい獏のからだ、けれど、いつかの記憶の中のあの子、帰り道で出会ったあの子が私のオレンジなのかもしれないって。そんな都合のいい幻想を今も抱いて、覚え込ませて、思い出すこともないほど考えることを日常にして。耳の奥で鳴る時計の針が愛を数えるカウンタ

        • 無味

          お久しぶりです。が、ひと月経っていないのでまだ久しくはないはず。とかよく分からないことを考えつつも、六月。もう梅雨ですって。あの燦々の太陽も恥じらっているような雨雲とこの気温と。この間の雷もすごかったなあと思い返しながら薄暗い部屋の中で青い画面をみつめている。特に変化はなく、よいこともわるいことも起きないままの日々を過ごしています。悪く言ってしまえば、味のしない、刺激のない日常というわけですけれども。毎日ご飯がおいしいくらいしかないんですよ、本当に。それが幸せなことと知ってい

          無傷

          それでは。とか言ったけれど、なんだか私らしくないなあと思ってしまった。なんか気取ってるのが1分後の自分に笑われてることを、さっきの文章を書いていた私は知らないんだなとか思ってまたくすりときてしまった。こういう変なことを考えるだけの元気があるのは本当だし、私の生死に誰が関心を持つんだという感じではあるけれど、なんか、なんか、なんだかあれがそれな気分なので。ええ。

          無傷

          無事

          ひと月以上ぶりのnoteにこんにちは。よく眠りよく食べることをしているので身体は健康です。心もほどよくそこそこなかなかまあまあです。それでは。

          無事

          無知

          サプリメントとか、そういう錠剤一つで必要な栄養がとれるように、経験とか、感情にもサプリメントがあればいいのになあと思う。いや、感情のサプリメントは今存在している違法薬物と似たようなものになってしまうのかな。感情に敏感になるもの、とか思ったけどそれってやっぱりやばい薬だな。ヤクだな。うん。でも、リラックス効果のあるハーブなんかがあるなら、その成分が濃縮されたものがあったりしてもいいのでは。なんてことを、心の平穏が欲しいばかりに思ってみたり。一年前に比べれば今も十分穏やかではある

          無知

          無変

          見たくないものを見ずに済むのは思ったより楽だと改めて認識した今日を、生存確認と共に残しておこうと思ったり。誰に向けるわけでもないけど、見てくれる人間が居るのは嬉しいので。少しだけ気分がいいのは別に酒に溺れたわけではなくて、くちくなった腹をさすりながら温かいお茶を飲むのが小さなしあわせだと心から感じられたから、ってだけ。それだけ、とか文末につける時って大抵それだけじゃなくて他意があるよねえ、とか考えてしまうので思考に釘を。まあ、とりあえず、生きている。それで、感情も正しく機能す

          無毒

          好きと大好きとか、とても好きとかいっぱい好きとか、そういう表現のしかたについて考えてみたりする。 なんとなくひらがなのすきは本気度が高そうなような、でもふわふわの砂糖菓子のような、それでいて愚直なような、そんな不思議な雰囲気だなあと思う。好き、は、王道。真っ直ぐで衒いない感じ。ノーマルが良い感じ。大好きは好きの上位互換なのかな。なんたって大がついてる訳だし。でも、好きの前にとてもとかすごくとかそういうのがついてもその上位互換感はあるから、好みの問題なのかな。まあ、大好きとかあ

          無我

          頭痛、眠気、倦怠をこえ、飼っている感情たちがそれぞれ嘔吐を始めたのでいよいよ頭が重たくなり、服薬、水が冷たく、一度沸かしたほうが美味いよなと思いながらもそんな気力はないので冷えた水を喉を鳴らし飲み干した、明日が今日になり、今日が減るからもう少し早く動かなくちゃいけないとは毎日思っている、髪を乾かして後は歯磨きだけなのに、根が生えたようにベッドから立ち上がれず三十分も経ってしまう悲しさ、疲れると空間の認知が歪んで座っているのに落ちている気分になる、とか、色々、いや、とかく、眠り

          無我

          無為

          通知のスキしましたをキスしましたに空目する程度には疲労が溜まっているんですけど、なんだか、どうしようもなく人肌が恋しい夜ですね。文を送った相手から、待てど暮らせど返事が来ないからかもしれませんね。おやすみなさいね。ごめんなさいね。

          雑記、きみへ

          きちんと書けなくなってしまって、ツイッターのアカウントも削除してしまったのですけれど、ときどきTumblrに文章をあげることにしました。近況報告とか、noteに書いていたようなこととか、あなたへの恋文とか、そういうことまで、隠さずに書いてみようと思って。今しばらくはブレーキが掛かりそうにないのが自分でも面白くて、波があって、しかたがないですが、此処を見ている物好きなきみへアイラブユーをちゃんと伝えておきたくて。 Tumblrはqz2zzで出るはず。よしなに。

          雑記、きみへ

          秋 19

          冬の匂いに近付いたと思えば、秋らしくあたたかい日差しが射して、秋と冬が競走でもしているのかなあ。気持ちのいいお天気の日に、美味しい栗の羊羹を食べて、お気に入りの本を読んだ。少しつめたくなった風と太陽の光が、身体を包んでくれるから、私はあと僅かの力を振り絞って生きていられるよ。とか、会えなくなった祖父母を思って、手紙を書いたりして。それにしても。あと何度眠れば、戻るのかしら。

          秋 18

          私の仮面を着けたままずっと塗り潰される本意とリンクする感情だけが、本当のことなんて何も分からないはずなのに触れ合うのがこうも楽しいから、苟且で良いよ、仮初で良いよ、殺す前にもう少しだけ話していよう、最後まで嘘で、最後まで罪で。 ロールプレイ。キャラクター。信じる、信じない。素性なんて分からなくても仲は深まるの?とか。被り物。嘘つき。嘘つき。そんな怖い顔しないでよ。知らない素振りと本当の無知。君の声も知らないのに。傑作だね。

          秋 18

          8/4

          もう何度啜ったか分からない位に腫れた鼻と、軋むまで枯れた喉と、瞼の裏に映る、何か、とてもおそろしいもの。目を閉じるたびに現れるそれに、涙もおちおち拭えなくなって、眼球が溺れそうなほどの塩水を溜めてから、白い布にその液体を押し付ける作業をした。幾ら身体を掻き抱いても、何かが足りない感覚と埋まらない感覚と、コンパスを失くした旅人のような、そういう類の間違いの感覚を消せなかった。何も考えたくないと思うほど声が大きく多くなっていって、増幅して重なり喚く人間の声がどうにも醜すぎるように

          夏 4

          美しいものがひかるのは、懐かしさに触れた日。美しいものがこわれるのは、同じかがやきを持ったそれを失った日。 詭弁。呻吟。曖昧さ回避を今日も失敗。