見出し画像

環境を変えるか、自分を変えるか#転職

ネガティブな理由で今の会社に居続けるべきか、辞めるべきか。
転職を考えている方に向けて記事を書きます。

結局選択肢は2つですよね。
・環境を変える(転職や異動を願う)
・自分を変える(自分の考え方や行動を改める)

令和以前の労働観だと、「自分を変える」べきだという考えが強かったように思えます。

環境のせいにするのではなく、自分がその環境に順応できるように努力すべきだという発想です。

でも今の時代はどうでしょうか。

企業の寿命ももって20~30年と言われ、昨日や今日の当たり前が明日の当たり前とは限らない時代に入り、長く同じ組織に居続けることが必ずしも正解とは限らなくなりました。

私がもう少し若いころは、すぐに会社を辞めてしまう新人が多いことに憂い、「石の上にも三年」とよく言っていたのですが、技術を伝承していく職種以外は、もはや時代錯誤のようです・・・(2020年から2023年のたった3年で世界が大きく変わったことを私たちは身をもって知りました)

年功序列や終身雇用を軸とした日本型の雇用はとうに崩れ始めています。

転職を繰り返しながら、自分のキャリアを時代変化に合わせて柔軟に形成していく方が、一回一回の転職に多少のリスクを背負うものの、最終的には自分が成長し続けることで活躍の場が広がり、社会関係資本も築き、自分を守ることにつながるかもしれません。

ならば、所属する会社が自分の特性や考えに合わない環境なら、とっととそんな会社は辞めた方がいいのでしょうか。

自分の考えや特性に合わないのなら、パフォーマンスの質も下がりますし、そんな状態がつづけば組織にとっても個人にとっても損でしかありませんよね。

でも、と私は思います。

自分の所属する会社に否定的な感情を抱いているとき、どうしてもいわば「近視眼的な」見方をしてしまっている可能性があります。

たとえて言うのなら、自分の目の前に大きな岩がたちはだかり、その岩しか見えておらず、その先を見ていない状態です。

そんなとき、転職サイトに登録してスカウトメールが届いたり、何気なく見ていた求人の魅惑的な言葉に触れたりすると、それは「隣の芝生は青く見える」でしょう。輪をかけるように、最近では転職を後押しする広告がいろいろな媒体で出ています。

もちろん、そこで運命的な出会いがあって自分の人生が良い方向に進むケースもあります。

しかし、転職をするぞ!とちゃんと覚悟を決めて、自己理解と職業理解をしっかりとしてからでないと、おそらく最初は良くても、ゆくゆく同じようなことが繰り返されるかもしれません。目先だけの判断や感情で環境選択をしている可能性があるからです。

現在所属している組織に対して、嫌なことや納得いかないことが続き、観察者バイアスがはたらき、ネガティブな側面しか見られなくなっている状態かもしれないのです。

転職が当たり前の時代だから、と「環境を変える」ことだけを考えるのではなく、まずは自分自身のことをよく見つめることが大事だと思います。

そのためには、できる限りいろいろな人の意見を聞いてみることをおすすめします。

もちろん、同じ会社の人間だと辞める可能性があることを悟られたくないというケースもあるかもしれないので、相談する相手は慎重に選ぶ必要があるかもしれませんが、思い切って相談してみることで少なくとも自分が見えていない”岩の先”を見てくれる人がいるかもしれません。

一時の感情や積もり積もったネガティブな感情を一旦脇に置き、自分自身のことを自他ともに見て、自分の強みや弱みは何か、身につけている職業上の能力や技術は何か、大事にしている信念や生き方は何か(※)を自分が語れる状態で、今所属する組織を捉えてみるとまた違った見方ができるかもしれません。

※ライフラインチャートを作って、過去の生い立ちから現在に至るまでを振り返ってみると見えてくることもあります。ネットで「ライフラインチャート」と検索してみてください。

「環境を変える」前に、「自分を変える」のではなく「自分を知る」
当たり前と思われるかもしれませんが、案外「自己理解」って本当に難しいしめんどくさいものです。だからこそ、意外と自分への理解が中途半端なままになっているかもしれません。


「転職の時代」でキャリアを形成がうまくいくのも、自己理解あっての環境適応です。転職を考え始めたら、まずはそれを本気で取り組んでみてるところからがスタートではないでしょうか。
(ただし、自分の特性や価値観を強引に変えるようなことまでをしているべき環境はないと思います。また、ハラスメントを受けているのに組織が誠実に対応してくれない、などの状況下にいる場合も然りです。)

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?