西 佐杜理

生まれつき両の眼球がなく、無気肺という病で片肺を切除し、気管支拡張症という不治の病のた…

西 佐杜理

生まれつき両の眼球がなく、無気肺という病で片肺を切除し、気管支拡張症という不治の病のため2歳で亡くなった猫、ルナの思い出を綴る。

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  • 両目と片肺の無い猫、ルナ

    生まれつき両目の眼球がなく盲目だった黒猫ルナ。気管支拡張症という病に苦しみながらも、いつも明るく喜びを与え続けてくれた。 保護猫施設から我が家に来て2年1カ月。これはその生きた記録です。

  • 好きな言葉

    言葉には力がある。生きていく力を与えてくれる。今までの人生で心を揺さぶられた言葉の数々を記しておきたい。

  • 雑感

最近の記事

動物嫌いの同居人

👆こちらから続く。 気になっていった2頭の子猫のうち、下半身麻痺の子が無事もらわれて行き、安心して全盲の子を我が家に迎えることができるようになった。しかし、そのためには一つ、解決しなければならない大きな問題があった。 実は私は一人暮らしではない。うちにはもう一人、同居人がいる。そして、同居人は大の「動物嫌い」だ。子供のころ、親戚が犬に噛まれるのを見て(同居人自身が噛まれたわけではない)、犬に対する恐怖心を抱いたまま大人になったらしい。 それは理解できる。私も小学生のとき

    • 全盲の猫か、下半身不随の猫か

      👆こちらから続く。 『三重苦の猫のことを、ヘレンケラー猫と呼ぶらしいよ。』ある日、弟がそう教えてくれた。 その頃私は、全盲の子猫が、耳が聞こえないせいで鳴くこともできないのではないかと疑っていた。「ぎゃ~」とか「ふにゃ」とか声は出すのだが、この月齢(生後3カ月程度)のほかの子猫が「ニャ~」「みゃ~」とうるさいほど鳴くのと対照的に、人間にアピールするための鳴き声をほとんど立てなかったからだ。 ネットで検索すると、いくつか記事や動画がみつかった。さすがに三重苦の猫の情報は数

      • 全盲で耳も聞こえない猫、ルナとの出会い

        LINEメッセージ 「なんか、両目の無い子がきたんですけど。」 LINEにそんなメッセージが入ったのは、2021年7月18日のことだった。私がボランティアをしている保護猫施設が、盲目の子猫を引き取ったという知らせだった。 のちに我が家の愛猫となる「ルナ」との最初の接点となったメッセージ。それを見た時、正直私は「え~、そんな子が…。」と少し暗い気持ちになった。 その施設では、常時200頭前後の保護猫を飼養し、里親を探して譲渡していた。その数、2014年の設立以来、1,5

        • 『未来を予測する最良の方法は、未来をつくることだ。』 エイブラハム・リンカーン 第16代アメリカ合衆国大統領

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          「ダイバダッタ」の記憶

          一説によると、人間は色々なことを忘れたと思っているが、実は生まれてから今日までに見聞きしたすべての出来事を記憶しており、何かきっかけがあればそれを思い出すことができるそうだ。昨日、それを実感する出来事があった。 3月30日の日経新聞「半歩遅れの読書術」という小欄に、『ユダの裏切りは、ブッダにそむいたダイバダッタの翻案かもしれない。』という一説を見つけた時のこと。「ダイバダッタ、え?」全く知らない言葉のようで、そうではない。いつかどこかで聞いた気がする。どこだったか?すると、

          「ダイバダッタ」の記憶

          【夫婦別産制】

          高校生の頃、落合恵子がパーソナリティをつとめる「セイ!ヤング」というラジオの深夜番組を聴いていた。穏やかながら、凛として正論を述べる彼女が好きだった。落合恵子は後に小説家となり、婚外子という自身の生い立ちを公表して、「非嫡出子(=婚外子)の遺産相続分は嫡出子の半分」(民法900条)とする規定の撤廃に尽力した。 私も、長い間この規定は法の下の平等に反すると信じていた。当然であろう。子供は親を選んで生まれてくることは出来ないのに、たまたま母親が正式な結婚をしていなかったというだ

          【夫婦別産制】