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シンプルに

先週の土曜日、野外の舞台を観てきました
お天気にも恵まれ、ここ最近では珍しく暖かな夜だったので、絶好の野外舞台日和でした

『 月灯りの移動劇場 』という彼らはその名のとおり、各地に移動舞台を設営し、上演します

わたしは初めて観に行ったのですが、

今回の舞台は Silence  という題名で、言葉はひとつもありません

鍛え上げられたしなやかな肉体、表現豊かな表情・しぐさ、指先や足先の細かな動き、人の醸しだす気配・オーラ、演者のエネルギー、存在感、骸骨のパペットの人間らしい動き・それを操る演者の見事な演技…

言葉がない分、出来うる全ての感覚を使って表現し、わたしたち観客も出来うる限り受け取ろうと必死に食らいつく

そんな感じでした

きっと大まかなストーリーはあるんだろうけど、それはあまり重要ではないような

10代〜70代のパフォーマー達がそれぞれの肉体を使って全身全霊で表現する世界にすぐに引きこまれました

若くても老いてもそれぞれがそれぞれに美しくて

人間ってとても美しいなぁ…  そう思いました

一番最後の場面では、とても神々しかった…


舞台も左右に壁が3つずつ、舞台上には白い砂、あとは照明と音楽のみ

それがまた潔くてかっこよかったんです


舞台の説明に、 

かつては身体は生産材として重要な役割を担ってきたが文明の発展や進歩によってその価値が失われてしまった、その価値を再提示することをテーマに創作したダンス作品

というようなことが書かれています


なぜか、このテーマ性にも惹かれて、ぜひ観たい!と思ったのでした


かつては人間の力で様々なことをしてきたはずなのに、便利になりすぎてしまい本来の人間の能力や機能や感覚が失われているように思います

わたしもそのひとりです

自分の感覚がまだ何かに覆われているような… 

全てを出しきれてないし感じきれていない、

そんな状態です

覆っているのは自分自身、でしょうが、、


この作品を見終わって、ふと

シンプルに削ぎ落とす、ってことだなぁ…と

そして、原点に戻る、っていう言葉も出てきました


これまでの人生でたくさん付けてきた制限や枠の鎧をどれだけ削ぎ落としシンプルにできるか

その上で 本来の自分 = 原点に戻る ってことなんじゃないかなぁ…

と思いました

とっても深い、素晴らしい作品に出会えました


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