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救ってくれて、ありがとう

はいるとさちこの交換エッセイ

　漫画、最近読んでますか。家に子供のものが優先しておかれるようになってから、漫画はほとんど処分してしまった。一番読んでいたのっていつだろう。中学～高校生くらいかな？子供が大きくなったら、また買い集めたいな、と思う。そんなはいるの「 #私を構成する5つのマンガ 」をお話します。

１．火の鳥

　いきなりここから？！という感じなのですが、わたしが小学生の時に、唯一親から買い与えられた漫画が火の鳥だ。不死鳥の火の鳥が、様々な時代を生きる漫画。その中で人間の愚かさや逞しさが描かれている。大判で12冊くらいあって、いまも母が「いつか読む」といって実家に置いてある。小学生だと、４割くらい「よくわかんない」が感想だったから、もう一度いま読みたいし、子供にも読ませたいな。

２．フルーツバスケット

　いまアニメやってるんですよね。知ってる。この間見ました。かなり原作に近くて、その一言一句、漫画のページが蘇ってくるからウケてしまった。恐らく私が初めてちゃんと読んだ少女漫画ってこれだったと思う。
　由希くんと夾くんに挟まれて、わたしの高校生活どうなっちゃうの？！みたいな話かと思ったらそうじゃなくて。みんな異なる心の薄暗さを抱えながら、それでも前向きに生きる透によって変わってゆく由希と夾がいいよね。設定は突飛だけど、これだけ受け入れられているのは、その暗さも明るさも、ちゃんと細部まで描き切っているからだと思う。最終的にやっぱり夾なところも最高に良いよね。
　今読んだら完全に推しが違う気がする。当時は紫呉の歪んだ感じがめちゃ好きだったんですけど...。絶対いまは選ばない......。モウワタシ大人ダカラ.......。

３．天使なんかじゃない

　NANAももちろん読んだんですけど、絶対天ない派です。今も愛蔵版だけは家に残してある。高校生になったら、こんな青春が待ち受けていると信じて疑わなかった、そんな時代がわたしにもありました。
　なんていうか矢沢あいの漫画ってとにかくすれ違うよね。たまにめちゃつらいよね。でも出てくる子がみんな本当憎めなくてずっと可愛い。マミリンなんてもうずっとずっとずっと心の中に住んでてほしい。10代に出会えて良かった漫画です。これ今読んだら、でも晃も翠もさ....これからまだまだ人生長いよ......とか言いたくなっちゃうじゃん。説教BBAになる前の、ピュアな心で読んでおきたい。

４．きみはペット

　バリキャリのスミレちゃんが、ひょんなことからモモというバレエダンサーの男の子をペットとして家に飼う話。いや、30歳になってこのあらすじだけ読んでも超夢がある。
　誰にも弱さを見せられないスミレちゃんに、何故か10代の頃から共感していた。スミレちゃんが、モモの前で泣く度に、わたしも無いはずの記憶を呼び起こして泣いてた。モモを撫でて癒されているシーンを見ているだけで、わたしも癒された......。そう、わたしもまたスミレちゃんなのだ......（？）
　これはね、ドラマ化もされたんですけど、ドラマもまたいいので見てください。わたしは志尊君より松潤派。おめめの大きな、生意気そうな、ゆるふわパーマをかけた、モテの権化のような松潤が、超絶クールビューティな小雪に飼われる。小雪には激烈イケメンの田辺誠一という彼氏もいるけど、松潤は手放せなくて....？！いや、このキャスティングを考えた人はまじでわかってる。わかりすぎている。

５．サプリ

　わたしはおかざき真里先生が大好きです。女が男と同じように働いて、生きるということの困難を、いつもいつも描いている。おかざき先生自身も、博報堂でCMプランナーとして勤めながら、漫画家デビューしためちゃすごな方だ。今もお子さんを育てながら漫画描いている。すごすぎる。
　女の人生にいつもまとわりつく選択の連続。恋愛、キャリア、結婚、出産。どれかを選ぶと、どれかを捨てることになるかもしれない、という恐怖。でもおかざき先生は、そのどれもを否定しない。どの道も、自分が選んだ道だから。社会人を目前としているわたしが、それにどれだけ背中を押され、救われたか。最後まで女が自分で決断し、生きていくことの強さを魅せてくれる漫画です。20代前半、これからの生き方を考える女子みんな読んで欲しい。

おまけ．はぐちさん

　５選っていわれたけど、これはこれで外せなくて....。はぐちさんはツイッターで読んでて、社会人1～2年目の多忙で死に狂ってた時を思い出しては励まされた。はぐちさんという正体不明の生き物が、八千代と暮らす物語。日常の何気ない出来事が、はぐちさんにとっては素晴らしく、楽しいということに、八千代だけでなく、わたしも助けられた。仕事が憂鬱で、でも行かなきゃいけなくて、行きたくなさすぎて、泣いたことのある人だったら絶対読んで欲しい。はぐちさんはいつもおうちをキレイにして、美味しいものを作って、なんでも遊びにして、待っててくれる。

構成はしてないけど好きな漫画たち

　ちょっとぉ！漫画って、選ぼうとすればするほど選べなくなるな？？？？

　あとねー、全然構成はされてないけど「GALS!」とかねー（みんなお目目がきらきらで可愛い、乙幡くんは最高）「ラブ★コン」も好きだったな～（ファッションとかかわいくて、長身女子なのも当時共感した）「高校デビュー」もいいよね（昔から黒髪男子が好き）あとは、オノ・ナツメさんの「GENTE」も好きだったし（レストランで働いているイケオジ達のお話）えすとえむさんの「うどんの女」とかも男の子が可愛くて好き。全然ベクトルが違うけど、夫がよく読んでた「食の軍師」も好きです。

　今も発売を楽しみにしているのは「よつばと！」と「きのう何食べた？」あと「A子さんの恋人」かな。言わずもがな。

さいごに

　10代～20代前半って、自分のこの先や生き方についていつも悩んでいた気がする。どうやったら可愛くなれるのか。自分にまともな恋愛が出来るのか。誰かに選んでもらえるのか。就職先は見つかるのか。いつまでこんなつらい思いで働かなければならないのか。結婚できるのか。子供は産めるのか。その悩みの傍にそっといるのが漫画だった。
　漫画は一つの答えを教えてはくれない。でも、自分が対峙した物事との向き合い方や、生き方のバリエーションを沢山教えてくれる。わたしが漫画に求めていたのは「救い」だったと思う。色々な向き合い方や、生き方があっていいんだ、ということ。
　あの時のわたしのこと、沢山救ってくれてありがとう。

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