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Rのつく名前

私の名前は”り”で終わる。三男も名前にRが入っている。日本で暮らす分には何ら問題はないのだが一歩日本から出ると、Rのつく名前にはいろいろと苦労させられた。

これはRのつく名前の人は誰しもが経験することらしく、外国で先生をしていた友人は「クラスに”リュウノスケくん”っていう子がいたんだけど、現地の人は誰も”リュウノスケ”って言えなくて、みんな”ルームスキー”って呼んでたな」というエピソードを披露してくれた。
私は謎のロシア人になってしまったリュウノスケくんに心から同情した。

ルームスキーくんのことはひとまず置いておいて、話を元に戻そう。
まず、英語を話す方々はRとLを明確に分けて発音し、我々の名前はもちろんRで発音される。Rで発音される「らりるれろ」はもはや「らりるれろ」ではない。ただ、我々が習ってきたボブやメアリーが話すような発音をする人は思った以上に少なく、RをDで発音する人もいたりするので「らりるれろ」が「だぢづでど」に聞こえたりもする。

そして、みんな名字ではなく下の名前で呼び合う。息子たちの担任たちも全員、子どもの名前はもちろん親の名前も下の名前で呼んでいた。スクールバスのドライバーは現地の訛りがひどく、英語なのか何語なのかもよくわからない。そんな人たちから電話もかかってくる。

「ハロー、でぃーしゃん? おれ、バスのドライバー。ちょっと遅れる」と電話がかかってきても聞き取れないので本当に私にかかってきた電話なのかどうかもわからないし、どの息子を乗せたバスの運転手からの電話なのかもよくわからない。

英語の苦手は私は初めのうちは電話がかかってきても「オ、オーケー…センキュー」ぐらいしか言えなかったがだんだんと慣れてくると「アンタ誰や。誰のバスが何分遅れるんや?」と聞くぐらいまではできるようになった。

やり取りができる場合は良いのだ。
私が一番焦ったのは外国の空港で呼び出されていたのに聞いたこともない発音で自分の名前を呼ばれていたせいでギリギリまで気がつかなかったこと。私は飛行機に乗り遅れそうになっていたらしくアナウンスで呼び出されていたのだが、そのことに気がついていない私は直前までアナウンスされているのが自分のことだと気がつかなかった。すんでのところで間に合ったのだが、あの時は本当に肝を冷やした。

Rのつく名前をお持ちの方に伝えたい。
是非いろんな国の人に自分の名前を呼んでもらってみて欲しい。
まさか、と思う呼ばれ方をするかもしれないが外国人は当たり前のようにそんな風に呼んでくる。それも人それぞれちがう呼び方で。

心の準備だけでもしておくと少しは違うかもしれないな、と経験者は呟いておく。

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