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Butter、ブトゥア、バラー 兄弟でアクセントが違ったことに気付いたお話

我々は1年半ほど南国で生活していた。息子たちの通っていた学校・幼稚園の先生は様々な国からやってきており、見た目も国籍も様々だった。
どの先生も英語を母国語として話す方々だったので、とてもキレイな英語を話していたのだが、やはりその国独特のアクセントがある。

1年目、長男の担任はドレッドヘアの恰幅の良いアメリカ人女性、次男の担任はブロンドで鼻の先が少し上を向いたアメリカ人女性、三男の担任は真面目なアイルランド人女性、四男の担任はおしゃべり大好きな韓国系カナダ人女性だった。

4年生だった長男はオーバーなアクションで英語風のカタカナ英語を話すようになり、2年生だった次男はネイティブまではいかないが、そこそこキレイな発音で話すようになった。年長だった三男と年少だった四男は平たい顔族代表のような顔をしているのに発音だけは外国人だった。先入観のない幼い子供ほど聞こえたままの音を出すことができるんだなと、私はとても感心した。

先日、チビーズ(三男・四男)が「一緒にケーキを焼こう」と誘ってきたので作ることにした。3年生と1年生にもなると、ある程度のことはできるようになっている。私は困ったときのヘルプ係としてそばで監視するだけだ。
二人はレシピを見ながら材料を揃えたり分量を量ったりしていたのだが、ふと「Pass me the butter」「OK、butter…」と二人がバターについて何か話しているのが耳に入った。

ちなみに基本的には日本語で生活しており、普段はバターもカタカナで「バター」と言っているのだがButterと書いてあるときはButterと発音している。Butterに限らず、英語で表記してあるものは英語で発音している。カタカナと英語は別物なのだろうか?
そして、日本語で会話をしている途中でも何かのきっかけで英語に切り替わる。誰かが英語で話し始めたり、アルファベットが目に入ったりするとスイッチが切り替わるようだ。
彼らの頭の中はどうなっているのだろう。日本で生まれ育った私には全く理解できない、不思議な現象である。

話が逸れてしまったが、Butterの話に戻そう。
二人の会話を聞いていた私は、ふとあることに気がついた。三男はButterをブトゥア(私にはそんな風に聞こえる)と発音し、四男は「バラー」と発音している。完全に担任のアクセントをコピーしていたのだ。
私は彼らに「Waterも言うてみて」と言ってみた。三男は「ウォタ」と口をすぼめて言い、四男は「ワーラー」と大きく口を開けて言っていた。

面白い。
もうケーキなんてどうでもいい。

ついでに長男と次男にも聞いてみると、二人とも「バラー」と「ワーラー」だった。

今まで4人が会話しているのを聞いていてもアクセントが違っていることに気がつかなかったが、教える人の影響がとても大きいこと、アメリカ英語とイギリス英語(アイルランド英語か)がずいぶん違うこと、年齢による発音の習得の差など当たり前のことを身をもって実感した。

サンプルが多いとなかなか面白いことに気がついたりする。
たくさん産んでいて良かったと思える数少ない機会である。

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