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管理部門で実務経験のない職務機能が自分の管轄下になり、変化を起こすときにぶつかる壁と、各分野で参考になりそうな書籍

いま試行錯誤中のことをメモ。

自分がよく知らない分野の責任者になるときがやってくる

会社員として社内で「広い責任範囲を持つ役割を担うぞ」と決めると、いつか自分が実務経験のない分野の責任者になるときがやってくる。私の場合は、人事の仕事は実務まで経験がある。その後、管理部門の執行の責任者になった。すると、人事以外(総務、法務、経理、財務、広報)などの実務はわからない。

リクルートマネジメントソリューションズの記事によると「マネジメント階層の移行時、最も大きな変化は部長クラスへの移行」という調査結果もあるようだ。実務をわかっている「課長」がいて、それらを束ねる「部長」になったとき、ということだろう。

「見ている範囲の人数は100人ちょっと。私の守備範囲は、経理を除く管理部門、つまり、人事、法務、物流、情報システム、カスタマーサービス、施設管理……」
というコメントに見られるとおり、管理する人数が多くなるだけではなく、担当する業務も広がり、“自らがよく知らない職務機能も管轄下に入る”ことも大きな変化と考えられます。(引用元

まさにこれだ。

経営からの「変化に対する期待」は、実務担当からすると、大抵無理難題だ。そして、実務がわからないと「トリアージ」してなんとかするのも難しい!

トリアージとは、一般的には、重要で最初に扱うべき者を選別(および決定)することを言う。(略)特に、患者の重症度に基づいて、医療・治療の優先度を決定して選別を行うことを説明する。[wikipediaより]

経営からの「もっと素早く変化しろ」というオーダーに対して、実務までわかっている分野であれば、優先順位と諦めるところを決められる。肉を切らせて骨を断つ(たぶん使い方が違う!)的な感じで、トリアージしてダメージコントロールしつつ、なんとかすることができる。

しかし、自分が詳しくない分野だ。そして、実務をしている人達は一生懸命やっている。わかりやすい「抵抗勢力」みたいなことはなく、みんなよかれと思ってやっているわけだ。「期待通りに変化を実行できない理由」を聞いてみても「まあそうだよねー」と納得できるものも多い。

たまに疑問点があり「こういう方法論で変化するのは無理なんですか?」と質問をしてみても、やはり詳細部分で「それは難しい」と言われてしまうと、それ以上どうしようもない。

こういう状態の時にどうするか。いま自分が知っていることをシェアしておく。

変化に合意するまでの10個の壁

詳しくはここを読んでほしい。TOCという考え方で紹介されているものだ。

[何を(problem)]
1.問題はまったく存在しない
2.問題はそれではない
3.問題が大きすぎて扱えない
[何に(solution)]
4.そのソリューションの方向性は無理である
5.そのソリューションの大筋は賛成だが、詳細は反対である
6.そのソリューションにはマイナス面(悪影響)がある
[どうやって(implementation)]
7.そのやり方は無理である
8.そのやり方に大筋は賛成だが、詳細は反対である
9.そのやり方にはマイナス面(リスク)がある
[最後の壁(常に存在する壁)]
10.なんか嫌だ(感情)

「そりゃ無理ですよ」にもいろいろな種類がある。そして、実務に詳しくないと、4〜9までが難しいのだ。切り分けができる。

4-9までの壁について、セカンドオピニオンをもらえる人を社外に探す。そのために、「その人が本物かどうか」を判断できるぐらいまで基礎的な部分は、学ぶ。

自分が詳しくない分野において「この人の見解は信頼できる」という人を探す必要がある。しかし、詳しくないのにどうやって見極めるのか。そこで、また違うブログ記事を紹介する。「無知の壁」だ。一部だけ引用する。

だが少しでも何かの専門を持っている人はお分かりだろうが、専門知識というのは、極めて段階的なものである。
大前提の基礎を理解していない人がよりむずかしい理論をわかっている可能性はゼロである。つまり基礎的な知識が抜けている限り、絶対にまともな専門家じゃない。
(中略)
上記の論法を逆にすると、自分が極めてベーシックな知識を知っているだけで、ずいぶんと簡単に偽専門家を見抜くことができる。
(中略)
専門家を評価するときの素人の使命は、しらない分野であってもド基礎だけは覚えることである。一見つまらなそうな初歩的な知識とか、教科書的な知識は、大半の専門家を装う偽物をバッサリ棄却するのにすごく有効で、踏み込んだ知識があればあるほどより適切に絞り込むことができる。

どうやって基礎を知るのか?それは簡単で、社内に実務の専門家がいるわけだ。その人にお勧めされた本を読み、わからないことを聞くことから始めればよい。社内だからバカな質問もしやすい。それによって、4-9の壁が本当に難しいこともわかってきたりするし、「この人は自分の担当分野も知ろうとしている」と伝わることは、マイナスにはならないだろう。

学ぶために探すべき本の条件:その分野の知識は全くないけど読書レベルは高い人が、大筋を理解できる本

完全に初歩向けに易しい用語解説から始める入門書と、専門用語で埋め尽くされた高度な専門書の間をつなぐ、中間レベルの本だ。私もこの分野だったら、これだ、というのがいくつかある。

例えば人事ならこれ。

管理会計であれば、これがよかった。

経済学はこれ。(中間レベルの本、というコンセプトもここから引用した。)

コーポレートガバナンスなら。

複数事業を束ねる「本社機能」ならこれ。

経営のセオリー的なものなら

こういう本を探すまでが大変なのだが、同じジャンルの本をたくさん読めば「これは原理原則を説明しているな」という本がわかってくる。それによって、セカンドオピニオンとなる社外の専門家を探す基準ができてくる。まあ、この書籍の著者に依頼できれば一番良いのだが・・・。

今回は以上です。twitterもフォローしてください!


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