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新入社員の最初の役割は「入社してみての驚き」を社内でシェアすること

柴田(@4bata)です!振り返りを「ひとり対談形式」でやってみようの2回目です。

ー本日の振り返りをお願いします。

中途採用の内定者の方が、入社前に配属先の社員と面談する場があります。その面談の内容を間接的に聞く機会がありました。その内定者の方曰く、自分は論理的に考えるタイプである、と。しかし、この会社(=私が働いている会社であり、内定を出した会社)は、外から見ているといろいろな意思決定を「直感的」にしているようにも見え、そこで自分はどのような役割を期待されているのだろうか、という話をしたそうです。その内容について、ちょっと何か頭の中に引っかかったことがあったので、振り返ってみました。

ー「引っかかったこと」とは?

私が内定者の方と面談して同じような質問をされたら、どう答えるでしょうか。最初に思いつくのは「まさにそこが自社の弱点なので、補ってほしいのです」的な答えです。でも、たぶんこれだと足りない。というのも、実際に入社してその人が「(直感的に)意思決定している場」に居合わせたとします。そして、何かしらの発言をロジックに基づいて行い、その場で決定されそうな結論に対して、違う見解を述べたとします。その時に「確かにその通りだ!考え直そう!」となるかというと、100回中50回以上は「まあそれもわかるんだけど、それだけじゃないんだよなー」という、反応になる気がしているのです。つまりこのコミュニケーションだと、弱点を補う補完関係としていまいちで、会社としての意思決定プロセスが(今までより相対的に)論理的に考える方向に変容しないな、ということが想定されたのです。

ー内定者の方の最初の疑問も、そういうことも見越しての発言なんですかね?

実際にその人と話してないのでわかりませんが、そうかもしれません。今まで入社してきた人の中でも、同じようなことは起きていたので、別にどの会社でもよくある「すれ違い」なのかな、とは考えてます。そこで思い出したことがあります。社外人事としてよく相談している神谷さんから教えてもらったことです。神谷さんは、エスノグラフィーという方法論(?)をつかって、いろんなことをやっている人で、私もいろんな相談をします。

エスノグラフィーとは、文化人類学や社会学にて用いられる研究アプローチです。研究対象となるフィールドに参加するなかで、そこで生活する人々が共有している意味や文化・価値体系・行動様式などを多面的に探究しようとするプロセス(およびその成果物であるドキュメント)を意味します。[引用元:神谷さんのサイト]

その神谷さんに教えてもらったことなのですが、研究者が、何か自分の文化圏とは異なる集落なのかコミュニティなのか、未開の地とか、わかりませんが、そういうところに案内してもらったとき、自分が驚いたことのシェアをしていくそうなのです。そのコミュニティの中にいるひとにとっては当たり前のことでも、文化圏外から来た人にとって新鮮なことが「驚き」としてコミュニティ内部の人にシェアされます。「驚き」としてシェアされると、内部の人は、驚いた人に対して「これはこういう意味なんですよ」と説明したり、「これを驚かれるとは思わなかった。普通のことじゃないの?」というような反応をするのでしょう。これが先ほどの話につながってくるなと。つまり、「(直感的に)意思決定している場」に居合わせた内定者の方のコミュニケーションスタイルとしても「驚きのシェア」というほうが、結果として意思決定プロセスが変容するのではないか、という着想を得ました。

ー普通にその場の結論と違う見解を述べることと、驚きとしてシェアすることは何が違うのでしょうか?

話した人の動機が異なるように思えます。それによって、聞いている側の反応も変わるのではないでしょうか。「驚きのシェア」は、好奇心というか、相手のことを否定しているわけではなく、ただ「なぜこうなっているのか知りたい」というスタンスです。すると、相手は答えたくなる。しかし、答えようとすると、結果としてある程度「論理的」に考える必要が出てきて、「あれ、この結論じゃないかもしれない」となるのではないか、というのが私の想定でした。つまり、聞いている側の変容を促すという目的であれば、「その結論に至った背景を知りたい」という単純な好奇心ベースのやりとりほうが、いまの私の会社にはあってるかも、というだけですね。他の会社だとわかりません。

ー新入社員が「入社して働いてみての驚きをシェアする」という方法論は、新入社員の立ち上がりプロセスとして他社でも使えそうですね

そうなんです。そこは共通である気もしますね。会社ごとの常識も異なりますし、それを「驚き」としてシェアしてもらって、他の社員が答える、というのは、会社になじんでいくプロセスとしても自然であるように思えました。もうちょっと展開してみます。私は今の会社で10年ほど働いていて、社歴は長い方になってきました。長く働いていたら、その会社のできごとで「驚き」はなくなってくるのでしょうか。たぶんそんなことはない。日々仕事をしていると、他の社員がいろいろ判断しているときに、自分の結論と違うな、と思うときがあります。その時も「驚きのシェア」として聞いてみた方がいいのではないか、ということです。何か自分の見えてないものがあるのではないか、それが知りたい、というスタンスですね。で、聞いてみるとやはり、自分には見えてなかった「何か」があることが多いです。新入社員以外でも、自分と見解が異なる何かがあった場合は「驚きのシェア」というコミュニケーションスタイルは使えるなという気づきもありました。

本日は以上です。


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