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因果関係を「ループ図」で考えるだけで仕事の質があがる説

この記事を読まなくていい人

「システム思考」「制約条件の理論(TOC)」を知ってるならあたりまえのことばかりなので読まなくていいです!逆に「なにそれ??」となる人には意味がありそう。

ループ図をつかって質があがる仕事の種類は3つ

1.課題解決
2.仕事の成果の定義
3.合意形成

じゃあ説明します。まず前提となる考え方。

無意識に因果関係を考えるときの2パターン、あなたはどちらですか

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原因があって、それが結果を引き起こす。普通はそれじゃないの?と思いましたか?実はもう1種類あるのです!

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原因があって、結果を引き起こす。その結果がまた原因となり、また結果を引き起こす。スパイラル(循環)がおきて、結果も原因もだんだんと「強化」されていき、とまらないのです!

ある現象はどちらのパターンでも説明できる

「因果関係」で検索したら「猛暑でエアコンが売れた」という例があったのでそれで考えます。

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ループにします。

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エアコンが売れたら、暑くなることなんてある???ヒートアイランド現象というのがあります。

ヒートアイランド現象とは、郊外に比べ、都市部ほど気温が高くなる現象のことです。(東京都環境局のサイトより

自動車や建物などから出される熱(排熱)の増大
自動車からの排気やエアコンの室外機から出される空気は、夏場はとても近くには立っていられないほど熱くなっています。都内を走行する自動車や家庭やオフィスで使用されるエアコンの台数は増え続け、東京の夏はますます暑くなっています。(東京都環境局のサイトより

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実際にヒートアイランドで猛暑が発生してるかは、わかりません(要因はそれだけではない)。これはある現象の因果関係はどちらのパターンでも説明できることがある、という例です。自分の思考の癖次第で、現象の捉え方が変わる。

仕事の質アップその1:「自分にとってそう簡単に解決できそうもない問題」は、因果関係をループ図で書いたほうが解決策が見つけやすい。

すごい人達が、「簡単に解決できそうもない問題」をどんなループ図で書けばよいか、パターン化してくれてます。全部自分で考える必要がありません。

自己強化型ループ図

上司と相性が悪くて困っている、という例で考えます。

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話したくないから上司を避ける。避けられないぐらい「やばいこと」が起きたときだけ上司と話すと、状況が悪い中で、かつ相性の悪い上司と話しているので、話すことがもっと不愉快になる。その後もっと上司を避けることになる。みたいなループです。

バランス型ループ図

仕事が忙しすぎる!!という例で考えます。

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バランス型は「自分の中にある暗黙の前提」によって、良くない現象から抜け出そうとしたのに元に戻ってしまう、というような使い方をします。忙しいから仕事量減らしてみたのに、不安になってしまって、結局追加の仕事増やしてたりする、というやつです。私のことです。

自分が悪い状態を引き起こしているという前提でループ図を書き始めるのがおすすめ

自己強化型でも、バランス型でも、他の人が悪いというループ図を書けます。解決策として他の人を変えるのは難しいので、自分がその悪い状態を引き起こしている、というループ図から書き始める癖をつけるのがおすすめです。これは好みの問題ですが。

仕事の質アップその2:「仕事の成果」も自己強化型ループ図で書くとよい

「悪いこと」だけじゃなくて、「よいこと」を考えるときもループ図は使えます。

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最初、カンフル剤的に何か「施策」をして、「よい成果」が出ます。でもずっとカンフル剤をするのは大変なので、いちど「よい成果」が出たら、勝手に「ますますよい成果が出る」ような構造を考えておきます。

例として、管理会計機能の強化(細かいプロジェクトごとに、赤字黒字がわかるようになる)を考えてみます。まず、ループ図なしのものを考えます。普通はこうなる。

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これでも十分なんですが、理想を高くするために、ループ図をいれます。

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細かいプロジェクトごとの収支が見える化されると、多くの人が「プロジェクトの黒字化」の練習ができます。安心してプロジェクトを任せられる人(=黒字化できる人)が増えると、プロジェクト数も増やせて、ますます利益が増える、という因果です。前の図との違いは、管理会計の強化を「黒字化人材の育成機会」と捉えたことですね。

実はここに「時間差」というものを入れるともっとそれっぽくなります。実際には、人材育成には時間がかかるので、「今のプロジェクトの収支がよくなって利益が増える効果」と「人材育成によってプロジェクト数が増え、利益が増える効果」の2つがあります。

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この辺まで考えると、管理会計強化に関する予算を確保しやすくなったり、えらい人にも「いいね!」といってもらえるかもしれません。

成果がわかりにくい管理部門の人は「すぐにでる成果」と「長期的にループ構造で生まれる成果」の合わせ技で考えた方がよい

管理部門の人はわかりやすい成果を説明しにくいので、ループで「ますますよくなる構造を会社内につくります」という説明フォーマットをいつも意識するのがおすすめです。かつ、「すぐに出る成果」と「長期的にループ構造で生まれる成果」の両方があると、最高です。

仕事の質アップ3:ループ図をみんなでつくることで合意形成に使える

まず、合意形成までの10個の壁を紹介します。

[何を(problem)]
1.問題はまったく存在しない
2.問題はそれではない
3.問題が大きすぎて扱えない
[何に(solution)]
4.そのソリューションの方向性は無理である
5.そのソリューションの大筋は賛成だが、詳細は反対である
6.そのソリューションにはマイナス面(悪影響)がある
[どうやって(implementation)]
7.そのやり方は無理である
8.そのやり方に大筋は賛成だが、詳細は反対である
9.そのやり方にはマイナス面(リスク)がある
[最後の壁(常に存在する壁)]
10.なんか嫌だ(感情)

3~10の壁には、一緒にループ図をつくってあーだこーだ話すことで、乗り越えられるかもしれません。特に自分が詳しくない分野でなんとかしないといけないなら、資料にして合意形成をしていく必要があるでしょう。

もっと勉強したい人向けの本

有名なやつです。

今回はおわりです。

応用編を書いてくれた人がいるのでリンクはっておきます!ありがとうございます!


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