高校時代、部員1人のフェンシング部に飛び込んだ話 -部活スタート編-


*ぜひ入部編、体験入部編もご覧ください!




青春の記録です。





おれの他にもう1人!!!!!!!!!!


眉毛凛々しい男子

おれと同じ色の校章をしている

ということは、、新入部員だ!!!!


なんで彼はここにきたんだ?
あの部活動紹介に胸を打たれたのか?
経験者?
生粋の物好き?
おかしい
こいつは絶対におかしい!!!!


彼に抱いた言葉は
鏡になり自分の元へも返ってきた

気持ちを落ち着かせ席へ着いた途端
彼がいてくれたことへの安堵と
結果僕だけではなかったのかという
希少価値のようなものを失った寂しさが湧いた。


「んわあすごいよ!!2人も入ってきちゃったお!!!!」

先輩はボールを咥えて帰ってきた犬のように喜んだ

笑みをこぼしながら顧問が自己紹介へと流れを移す


先輩は2つ上の3年
名前は鶴先輩 (仮名)
高校からフェンシングを初め
3年生がすぐに抜けてしまったため2年間以上
1人で部活を存続させたらしい


まずフェンシングって1人で練習できるの????

そして次は同い年の彼


名前は竹 (仮名)
眉毛が本当に凛々しい
制服も綺麗に着こなし
やんちゃな雰囲気は全くない。
フェンシングというスポーツに興味を持ったとか
美少女アニメのストラップをつけている


この頃は今よりはオタク文化が市民権を得てはなく、僕も目の当たりにすると少し気が引けてしまうとこもあった

この子と3年間一緒にやってくのか、

僕自身、不良やヤンキーとかではないが
周りはやんちゃな子が多かった
不安の緊張感がよぎる

そして僕も簡単な自己紹介を終えた、、、瞬間


「よろしく!!!!」


竹は鋭く手を指し延ばす

あ、握手だ!!!!!!!!!

握手なんていつぶりだ!
堅くね!!!?

瞳動かさずこちらを見ている

こ、こええ

「よ、よろしく」

押し負けた形で握手を交わした


すると先輩が立ち上がり


「よろしく!!!!!!!!」

僕に手を指し延ばす


いや、感化されてんじゃねーよ!!!!!

ぜっっったいに今まで握手なんてすすんでやってこなかったくせに!!!!!!

結果全員で握手を交わしているのを
顧問は微笑ましい顔で眺めていた。

大丈夫かこの部活





「では2人にはまずシューズを買っていただきます」




顧問が口を開いた。



一瞬時が止まった

「全部貸し出します!!!!!」
「全部貸し出します!!!!!」
「全部貸し出します!!!!!」
「全部貸し出します!!!!!」
「全部貸し出します!!!!!」
「全部貸し出します!!!!!」
「全部貸し出します!!!!!」
「全部貸し出します!!!!!」
「全部貸し出します!!!!!」
「全部貸し出します!!!!!」
「全部貸し出します!!!!!」
「全部貸し出しま.......


数日前の先輩の言葉が
頭を駆け巡った。


うそだろ!!!!!!!!!!!!


「大体いくらくらいですか?」

「15000円〜くらいかな!」

「なるほど!」

竹と先輩が交わす


なるほど!じゃねーよ!!!!!!
聞いてないよ!!!!!!

まあ確かに
読者からすればシューズくらい買え!ってきっと思うよ
「アメニティグッズは揃っております」と書かれた銭湯や温泉で「パンツねーのかよ!」と怒っているようなものかもしれない!!

けどさ
2年間誰も入らなかった部活で
ルールも名前も言わず土下座をする先輩1人の部活に3年間続ける自信はまだその時にはなかったんだ。


「えっと、先輩にこの前全て貸し出すと言われたのですが、」

「シューズは貸すとは言ってないよ」

体験入部の時とは違う
もう入るとわかったから口調も少し強い

少しむかついてしまった僕は

「続くかもわからないですし、まだやったこともないし、そんなお金がかかるなら考えます」

そう言った途端、先輩は動揺し

「あ、確か部室に使ってないのがあったかも!」

もちろんシューズを買うことへの疑問だったが
この時は先輩の口調の変化や
活動がまだ始まる前に瞬時にできた
上下関係に憤りを感じてしまった


結果、僕と竹のシューズは部室に置いてあるのを見てから決めることになった。

後に聞いたことだが
竹もシューズを買うのが嫌だったらしい


じゃあ「なるほど!」じゃねーよ!!!!!


最後に顧問から活動内容の紹介があった

【週5日活動 土日休み】
土日休むのかよ!!!!!!

【活動場所は体育館ステージと廊下の併用 (ダンス同好会との兼ね合い)】
ステージってみんな見るじゃん!!!!
廊下ってなんだよ!!!!

【顧問は基本来ない】
基本来ないってどういう日本語!!!??



明日から、3年間苦楽を共にする青春が初まる。



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