高校時代、部員1人のフェンシング部に飛び込んでみた話 -大会スタート編-
*ぜひ過去の6話をご覧になってからお楽しみください!!
青春の記録です
「いってらっしゃーいw」
母親はニヤニヤした顔で僕を見送った
先輩に言われた通り
弁当、水筒、長い靴下、体育で使うジャージ
これらをもって行きの電車に乗り込んだ。
電車で遠征に向かうときって
緊張と、行ったこともないとこに行く好奇心が入り混じって高揚していくもの。
皆さんも練習試合や大会ってそんな気分だったはず
今から記憶が失くなって帰り道になればいいな、なんて思うことは無かったはずです。
(どんな部活ですかそれ)
会場に着き、先輩と竹と合流する
「ね、ねえ?だだ大丈夫??きききき緊張しなくていいから!!りらーーーっくす!してのぞめばいいから!!!」
鶴先輩が僕らに言う
いやお前大丈夫かよ!!!!!!
主将兼唯一の経験者であり3年生がこんなんで大丈夫かと俺と竹は目を細くした
先生が部室から積んだ道具やユニホームを車で運び会場に着いた
僕らは挨拶を交えながらそちらへ向かう
「はいじゃあ1年、剣やマスク運んで」
鶴先輩は車から1歩引いた位置で僕らにそう言った
1年、っておれらしかいねえだろ!!!!!!
2年も1年も他にいねえだろ!!!!!!!
すげえ部員いる常勝軍団みたいに言うな!!!!!!
この時僕は、どうにか運営側の間違いで僕と鶴先輩が当たらないかと懇願していた。
僕と竹が道具を運ぶ目の前をポケットに手を突っ込んで歩いていく先輩
この時は微かに、『言うても3年生だから。』と大会への淡い期待をしていた。
この時までは、、、ね。
会場に着くと顧問は挨拶があるといい本部へ向かった。
体育館のメインステージの扉を開く
轟く声
響き渡る各校の号令
揃うアップの掛け声
僕はたった今、“フェンシング部の大会"に参加してる自覚が芽生えた。
(さっさと負けてこよう)
(フェンシングなんて地味な奴の集まりでしょ?)
(早く終わったら遊び行こー)
生半可な気持ちで参加している自分が少しずつ緊張と焦りを覚えたのが今でも鮮明に覚えている。
「よし、僕らもアップしよう!」
先輩は口を開いたが、見渡す限り空いているスペースはなかった
「僕らの陣地はどこですか?」
「そんなのないよ」
「...へ?」←1年一同。
えーっと、、どこで練習するんだろ、、なんて僕らは無言になっていると
「よし!ランニングだ!」
僕らの高校は、他の高校が練習してる間を縫ってランニングし始めた
ストレッチしている他の高校の視線が痛い
いやアップとごろか精神的に削られるわ!!!!!!!!!!!!!
そしてやっと見つけた壁際の3、4畳くらいのスペースでアップを始めた。
「先輩、今日何校きてるんですか?」
「うち、与野、春日部共栄、立教新座、埼玉栄の5校だよ」
「え、、、5校?」
「埼玉には5校しかないから」
これって、地方予選じゃなく、、県大会なのかよ!!!!
「え、ってか栄とか私立っすよね?」
「そうだよ、高校日本代表にも選ばれてる」
僕は頭が真っ白になった。
あのさ、、、、おれ初心者だよ?
フェンシングって1対1じゃん、、、
これってPL学園のスラッガーにその日初めて白球を持つ初心者がマウンドに立つようなもんだよ!!!!!!!!
おいおいおれどのくらい怪我して帰るかわからないぞ今日。。。
効いたか効いてもないか覚えてないストレッチをして、いつのまにか試合前の部の集まりにいた。
会場客席の廊下
「よし、じゃあみんなユニホームに着替えて!」
顧問は言う
僕らは着るのが初めて
先輩や顧問に言われるがままユニホームを着た。
途中、家から持ってきた靴下を履き、
途中、家から持ってきた靴下を履き。。
「着れました!!」
竹は元気よく返事をし、すげー!!などと好奇心旺盛に体をくるくるしている。
...
...
あれ?
おれ、何かがおかしい
「おい玉舘!!なんだそれは!!」
顧問が言う、
真っ白く覆われるはずのフェンシングのユニホームが、、、、、
肌色が見えている
「お前靴下どうした!!」
僕の持ってきた靴下の丈が全く足りず
スネがポッカリ出てしまっている
あれ?
やばい
これって、、、
焦りと焦りが大きな波を作り自分に降りかかってくる
ただ、脳裏であることを思い出す
『長い靴下もってきて!、、、もってきて、、、もってきて、、、、もってき、、、、、』
先輩の言葉だ!!!!!!!
「先輩!!長いのもって来いって言うからもってきたんですよ!!」
「こんな短いとは思わなかったよ!!!!」
「え、おい鶴!お前後輩に伝えてなかったのか!」
先生は先輩に問いかける。すると先輩は
「いえ、ちゃんと伝えたんですけど間違えたみたいです」
こいつまじで同じブロックに当たってしばきたい!!!!!!!!!!!!!!!
みんなが持ってきたのはサッカーのソックス
膝まですっぽり隠れるくらいの靴下
おれの家には、兄ちゃんのソックスがあった
ちゃんと説明したら持ってこれたよバカやろう!!!!!!!!!!!!!!
焦りとパニックと憤りで今にも泣きそうなときに、
竹が発した
「玉(僕のこと)はさ、何足か持ってきてるよね?ハサミで切って繋げれば?」
...
....
「それだ!!!!!!!!!!!!!!」
揃ってないけど
僕、先輩、顧問の気持ちが揃った気がした
僕は事務局に走って出向き
「ハサミかしてください!!!!!!!」
「はい?」
それもそうだ
ハサミを借り1足思いっきし切った
そしてその切った部分を足りない肌色が出てる分にサポーターのように当てた
1足ちゃんと履き、見えてる部分に多い被したのだ。
被せた後顧問に見せた。
「よし、いける!!!!!!」
僕らは試合前に小さい歓喜した。
ただ、いけるはずもなかった。
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