高校時代、部員1人のフェンシング部に飛び込んでみた話 -試合開始!編-
*ぜひ過去の7話をご覧になってからお楽しみください!!
青春の記録です。
刻々と近づく試合時間に向け準備を開始する。
次第に緊張と不安で落ち着きが欠けていく
他校が着々とフォーミングアップから実戦形式の練習に取り掛かってるなか
僕らはルール説明を受けていた。←絶対に遅い
どんなに体が温まっていても
ルールが分からなければ立ってるしかない
そんなやつ客席で見てろって話だよね
「けどまあ、入部1週間で試合に出れるのは他校からしたら羨ましいことだし、経験値を一早く詰めるのはとてもいいことだよ!」
先生が少し自信なさげに僕らに言った
いや、ごもっともかも知れないけどー
他校の日の丸を背負った高校の1年生が
僕ら3人しかいない弱小高校見て
『うわー!あそこ入れば試合出れたー』
なんて羨ましがる光景が1mmも浮かばない
『うわ、あいつら練習する場所もねーぞww』
他校と接触しないように間を縫ってランニングした時に、客席からの冷ややかな目をされたのは、おれらが一番わかってるんだ!!!!!!
先生は大会本部へ行くといい席を外した。
自分の使用する剣
自分の使用するマスク
自分の使用する手袋や銀のかさかさの試合の時に着る服(ここに触れると得点が入る試合着)
数少ないこれらを
数少ない部員でわけわけしていた時
「おーい、鶴!」
「おー!久しぶり!」
先輩の元に他校の先輩が来た
身長180cmぐらい
肩幅広め
眉毛太め
角刈り
めちゃくちゃいけてない奴が
僕らを見下ろしながらやって来た
「あれ?1年入ったん?」
「そう!やっとできた後輩!」
「へぇー、まあいきなり勝てるもんじゃないから負けても凹まないように」
何も話しかけてない僕らに
勝手にアドバイスしてきた
知らんがな!!!!!!!!!!!!!!!!!
誰だよお前!!!!!!!!!!!!
その見てくれで彼女いたらおれ泣くからな!!!!!!!!!!!!
これは後にもわかることだが
まじで先輩の周りは変な人しかいない
まあそれも
鶴先輩が変人代表格のような人だから
後から先輩に聞いたが
今の角刈りは春日部共栄の主将らしい
主将なら本当に強いのか?
そう思いながら僕らを去っていくその主将の後ろ姿を見た瞬間
やっぱりキモい!!!!!!!!!!
それしか思わなかった。
僕らは客席廊下に陣取った待機場所から
試合をするためにメインアリーナに降り立った
さっきランニングした時とは違う
試合会場が出来上がっていた
審判団や記録員などがもうスタンバイしている
フェンシングはコートをプールと呼び
4.5人1組でリーグ戦が行なわれる。
僕らはもちろんバラバラのプール
頑張って!!!!
と、3人で言葉を交わし後にした。
まずはフルーレの試合
フルーレとは
主に自分の剣先が相手の胸、お腹、背中につくことで得点が入る。(ざっくり説明)
フルーレはまず得点範囲が狭いのと
防御を徹底しないとまず勝つことができないらしい
5点先取した方の勝利となる
僕はベンチ?のような
そのプールの出場者が待機する椅子に腰掛けた
(どんな奴が相手なんだろう)
おれの高校ではみんなに笑われる
練習してるだけで笑われる
部室にいるだけで覗かれる
フェンシングなんて鶴先輩やあの角刈りみたいな変な奴しか入らないんだ
そんなことを思いながらふと隣を見た
超絶イケメンがそこにはいた
皆さんね、三浦翔平を想像して
その人がね、下向いて目を閉じてるの
めちゃくちゃかっこいい!!!!!!!!!!
そこでようやく知ることができた
フェンシングって、普通のスポーツなんだって!!!!!
(本当に失礼!すみません!!!!!!!!!!)
そして
生まれて初めての
フェンシングの試合がは始まりました。
僕はピストと呼ばれるコートに向かった
審判機のコードと自分の試合用ユニホームのコードを接続する
これにより自分の剣が相手の胸やお腹に接触したときに音が鳴る仕組みです
そして接続を終えた後センターに向かう
「あ、ちょっと君!」
審判が僕に駆け寄る
僕の接続したコードが
水を強で出した時のホースのように暴れている
接続した後、ユニホームに引っ掛けなければならなかったのだ。
(ズボンに鍵を引っ掛けてぶら下げるみたいに!)
んなことまっっっったく聞いていなかった僕はみんなの前で審判に付けてもらった。
あ、言い忘れたけど顧問は先輩のとこ行ってていないよ!!^ ^
その後は剣の検査
剣が錆びていないかや、ちゃんと反応するかのチェック
ここはルール説明も知らずに黙々とこなしたサビ取りのおかげで余裕のパスをした。
ん?
相手の肩には日の丸!!!!!!!!
日本代表かよ!!!!!!!!!
初戦が代表って、おれもってるな←めちゃくちゃテンパってる
そしていよいよ
試合が始まる
「アンガルド」
「プレ」
「アレ!」
これは審判から放たれる、始め!の合図
(その日初めて聞いた)
相手がゆったりと近づいてきた
緊張と恐怖で後退りしてしまう
相手が手と前足を伸ばした
僕は必死に避ける、
(あぶね、当たらなかった)
ぶーーーーーーーーーーーーーーーーーっ
(え、なんの音?)
音のなる方へ目をやると
相手のランプのみが光っている
相手の得点だ
全く感触がしなかった
完全に避けれたと思った
むしろ最後の方相手の剣は見えていなかった
僕の初戦初失点は開始わずか2秒だった
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